2015年 ㈱ベストブック社

 著者の井上健一は、1957年生まれの経済ジャーナリストにして仏教ジャーナリスト。プロボクサー、毎日新聞記者、会社設立、MBA取得などの傍ら、高校時代に雲水修行したのを手始めに、いろいろな老師に師事しながら仏道を学び、2002年臨済宗の小池心叟老師より法号を受けている。
 法号とは、臨済宗における生前戒名の一つであるらしい。なので、いのうえは出家者ではなくて在家の仏教徒なのだろう。

 本書は、日本仏教界や坊主業界に詳しい人間による内幕暴露および業界批判である。
 と言っても、口調はそれほど辛辣なものではなく、ユーモア漂う気楽に読めるエッセイである。

IMG_20190510_214543

 
 今さらの日本仏教=「葬式仏教」批判であってみれば、特段驚くような発見はなかった。(水子供養1人当たり328万円は知らなかったが・・・。罪悪感はいい商売になるのだ)


秩父巡礼4~5日 051


 なぜ、この本を図書館で手に取り読んだのか?

 思うに、老衰や死を身近に感じ始めているからなのだろう。
 で、自分が死んだあとの始末について考えたとき、「生前なんらかの手を打っておかないと、死んだら嫌でもこの手間とカネのかかる“葬式仏教システム”に絡めとられてしまう」と思うからだ。

 別に自分が死んだ後のことはどう始末されようが気にしないけれど、子供のいないソルティにしてみれば、親兄弟ならばともかく、普段それほど親交のない甥や姪には迷惑かけたくないなあと思うのである。十分な愛や遺産を彼らに遺せるならともかく・・・。

 理想としては、「焼却・砕骨・海に散骨・戒名葬式いっさい不要」だけれど、それが叶うためには何らかの事前準備すなわち「終活」が必要である。

 終活――これも一つのエゴなんだがな。


評価:★★

★★★★★ 
もう最高! 読まなきゃ損、観なきゃ損、聴かなきゃ損
★★★★  面白い! お見事! 一食抜いても
★★★   読んでよかった、観てよかった、聴いてよかった
★★    いい退屈しのぎになった
★     読み損、観て損、聴き損