2016年(株)編集工房ノア
2010年5~6月に挙行した49日間の四国遍路通し打ちの体験記である。
著者は1949年生まれ。銀座に事務所を持ちコピーライターをしていたが、60歳のときリーマンショックの煽りを受けて経営難に陥り、事務所を閉める。人生に一区切りをつけるべく遍路に出たという。
いろいろな境涯の遍路や、お接待する土地の人との出会いと交流が描かれているのは、大方の体験記と同じである。
読んでいて印象に残るのは、著者の汗だくぶりと17個できたという足のマメによる苦闘ぶり。
5月の歩き遍路はもう暑さ厳しいのだ。
足のマメの一番の原因は、きっと靴が合っていなかったためであろう。
通し打ちの場合、靴だけは多少値が張っても、丈夫で軽くて歩きやすく防水性と弾力性に優れた良いものを選ぶのが得策である。
読んでいて印象に残るのは、著者の汗だくぶりと17個できたという足のマメによる苦闘ぶり。
5月の歩き遍路はもう暑さ厳しいのだ。
足のマメの一番の原因は、きっと靴が合っていなかったためであろう。
通し打ちの場合、靴だけは多少値が張っても、丈夫で軽くて歩きやすく防水性と弾力性に優れた良いものを選ぶのが得策である。
ソルティの旅のお供は Columbia トレッキングシューズ
マメができたのは最初の10日間くらいだけだった
マメができたのは最初の10日間くらいだけだった
著者の性格かもしれないが、感情を抑えた坦々とした語り口で、どこか傍観者的クールさがある。
そのまま最後まで行くのかと思っていたら、そうは問屋が卸さないのがお四国である。
第88番大窪寺での結願を控えた前夜、著者は20年以上前に亡くなった母親の夢を見るのである。
そのまま最後まで行くのかと思っていたら、そうは問屋が卸さないのがお四国である。
第88番大窪寺での結願を控えた前夜、著者は20年以上前に亡くなった母親の夢を見るのである。
ぼくはなぜへんろに来たのだろう。還暦を過ぎ、事業を終わりにし、人生に一区切りをつけるためだと、今まではそう思うことにしていた。しかし今朝、まったく違う答えを見つけた。
母と夢の中で再会したのだ。今まで母の夢を見たことはなかった。昨夜、あずまや旅館で夢の中に母が現れた。紺色のコートを着て花柄の襟巻をしていた。長々と話をしたのだが、ぼくが何をたずねたのか母が何とこたえたのか、目が覚めたら何ひとつ覚えていなかった。でもぼくは確かに母の顔を見て話したのだった。
もしかしたら、その正体はお大師さまだったのかもしれないね。