1964年大映
83分
ついに雷サマこと市川雷蔵生涯最高の当たり役、眠狂四郎シリーズに手を出してしまった。
案の定、見事にはまった。
これから残り11作を追っていくことになりそうだ。
本作品がシリーズ2作目であることを観終わってから気づいた。道理で、前触れも説明もなく、もったいぶることもなしに淡々と主役(市川雷蔵)を登場させるなあと思った。物語自体は作品内で完結しているので、前作を観なくとも戸惑うところはない。
むしろ、第2作から観たのは正解だったかもしれない。
というのも、当シリーズは複数の監督によって撮られていて、第1作の監督は田中徳三である。未見なので何とも言えないが、この三隅研次監督による2作目こそ、このシリーズの白眉なのではないかという気がする。それくらい完成度がハンパないのだ。
むしろ、第2作から観たのは正解だったかもしれない。
というのも、当シリーズは複数の監督によって撮られていて、第1作の監督は田中徳三である。未見なので何とも言えないが、この三隅研次監督による2作目こそ、このシリーズの白眉なのではないかという気がする。それくらい完成度がハンパないのだ。
まず、映像美が凄い。色彩(なぜかモノクロ映画とばかり思っていた)、構図、明暗、効果、カメラワーク、細やかに神経の行き届いたセットや衣装。完璧な画面構築は観る者を陶酔させる。
脚本も良い。無駄のない構成とセリフ、個性あるキャラ、史実を取り入れ時代背景を浮かび上がらせる手腕、尺(長さ)もちょうどよい。
そして、役者の演技。癒しようのない孤独と裏腹に子供のような無垢さが全身から匂う雷蔵=狂四郎の魅力はもとより、居丈高で我儘な姫を演じる久保菜穂子、その腹黒い家臣を演じる須賀不二男といった悪役キャラが立っている。ヒーローが引き立つのは、良い悪役がいればこそである。加藤嘉も相変わらずの貧乏臭くうっとうしい演技で脇を固めている。
脚本も良い。無駄のない構成とセリフ、個性あるキャラ、史実を取り入れ時代背景を浮かび上がらせる手腕、尺(長さ)もちょうどよい。
そして、役者の演技。癒しようのない孤独と裏腹に子供のような無垢さが全身から匂う雷蔵=狂四郎の魅力はもとより、居丈高で我儘な姫を演じる久保菜穂子、その腹黒い家臣を演じる須賀不二男といった悪役キャラが立っている。ヒーローが引き立つのは、良い悪役がいればこそである。加藤嘉も相変わらずの貧乏臭くうっとうしい演技で脇を固めている。
カラー映画だったことにも驚いたのであるが、眠狂四郎が転びバテレンと日本人とのハーフである(ゆえに茶髪ちょんまげ!)とは、ついぞ想像しなかった。江戸時代のハーフの剣客とは、さすがベストセラー作家(柴田錬三郎原作)の創造力は違う。
この第2作では、『水戸黄門』疾風のお娟(=由美かおる)ばりの雷サマ入浴シーンも登場し、ファンにはうれしいサービスショットである。
評価:★★★★
★★★★★ もう最高! 読まなきゃ損、観なきゃ損、聴かなきゃ損
★★★★ 面白い! お見事! 一食抜いても
★★★ 読んでよかった、観てよかった、聴いてよかった
★★ いい退屈しのぎになった
★ 読み損、観て損、聴き損
★★★★ 面白い! お見事! 一食抜いても
★★★ 読んでよかった、観てよかった、聴いてよかった
★★ いい退屈しのぎになった
★ 読み損、観て損、聴き損