1966年大映
97分
三浦綾子の原作を読んで、辻口夏江を演じる若尾文子が見たくなった。
美しくおしとやか、振る舞いあくまで涼やかなれど、その実エゴイスティックで〝よろめき゛やすい――という二面性を持つ、なかなか複雑な夏江というキャラクターを、海千山千の若尾がどう演じるかが興味の的であった。
やはり若尾は大女優というにふさわしい。
この作品の主役は殺人犯の娘である辻口陽子(安田道代→現:大楠道代)のはずなのだが、映画のヒロインは完全に若尾文子である。原作から抜け出てきたかのように、辻口夏江を見事に映像化している。というか、そもそもこの辻口夏江という女性は、これまでに若尾が演じてきた数々のヒロインたちの統合のような、象徴のようなキャラクターなのだ。あたかも三浦綾子が、あらかじめ若尾文子をイメージして夏江を創造したのではないかと思われるほど。若尾も演じるにあたってそれほど苦労しなかったのではあるまいか?
この夏江役、若尾以外では南田洋子も良かったかもと思った。南田もまた上記の二面性を演じられる女優だと思う。ただその場合、娘のことを「陽子ちゃん」と呼ばなければならないので、ややこしい結果になったろう。
夏江の息子・辻口徹役の山本圭が思いのほか下手くそで学芸会ばりの演技。藤尾辰子役の森光子はさすがの名演。夏江の(心の)不倫相手・村井靖夫役の成田三樹夫がニヒルで恰好よくて驚いた。夏江が〝よろめく゛のも無理はない。
三浦綾子の原作を読んで、辻口夏江を演じる若尾文子が見たくなった。
美しくおしとやか、振る舞いあくまで涼やかなれど、その実エゴイスティックで〝よろめき゛やすい――という二面性を持つ、なかなか複雑な夏江というキャラクターを、海千山千の若尾がどう演じるかが興味の的であった。
やはり若尾は大女優というにふさわしい。
この作品の主役は殺人犯の娘である辻口陽子(安田道代→現:大楠道代)のはずなのだが、映画のヒロインは完全に若尾文子である。原作から抜け出てきたかのように、辻口夏江を見事に映像化している。というか、そもそもこの辻口夏江という女性は、これまでに若尾が演じてきた数々のヒロインたちの統合のような、象徴のようなキャラクターなのだ。あたかも三浦綾子が、あらかじめ若尾文子をイメージして夏江を創造したのではないかと思われるほど。若尾も演じるにあたってそれほど苦労しなかったのではあるまいか?
この夏江役、若尾以外では南田洋子も良かったかもと思った。南田もまた上記の二面性を演じられる女優だと思う。ただその場合、娘のことを「陽子ちゃん」と呼ばなければならないので、ややこしい結果になったろう。
夏江の息子・辻口徹役の山本圭が思いのほか下手くそで学芸会ばりの演技。藤尾辰子役の森光子はさすがの名演。夏江の(心の)不倫相手・村井靖夫役の成田三樹夫がニヒルで恰好よくて驚いた。夏江が〝よろめく゛のも無理はない。
映画としては、原作に忠実に、原作のイメージを壊さずに、無難に作り上げた凡作である。
評価:★★
★★★★★ もう最高! 読まなきゃ損、観なきゃ損、聴かなきゃ損
★★★★ 面白い! お見事! 一食抜いても
★★★ 読んでよかった、観てよかった、聴いてよかった
★★ いい退屈しのぎになった
★ 読み損、観て損、聴き損
★★★★ 面白い! お見事! 一食抜いても
★★★ 読んでよかった、観てよかった、聴いてよかった
★★ いい退屈しのぎになった
★ 読み損、観て損、聴き損