1963年大映
1時間51分カラー
原作:山崎豊子
脚本: 依田義賢
撮影: 宮川一夫
何度もテレビドラマ化されている山崎豊子の人気作。
大阪船場の老舗問屋の莫大な遺産相続をめぐる三姉妹の骨肉の争い、そこに亡くなった当主の愛人が身重姿になって乗り込んでくると来たら、面白くないわけがない。
かてて加えて、監督三隅、脚本依田、撮影宮川と日本映画最盛期の天才スタッフを揃え、大映の誇る二大美人女優若尾文子と京マチ子を主要な役に配している。
この時期、日本映画界はテレビに押され観客激減、斜陽産業と目されていた。
大映自体もまた、大黒柱の長谷川一夫、看板スターの山本富士子を相次いで失い、苦戦を強いられていた。
ある意味、大映の最後の輝きを示す記念碑的名品と言えるかもしれない。
長女役の京マチ子も、愛人役の若尾文子もいいが、なんと言っても印象に残るのは、店の番頭役の二代目中村鴈治郎、および姉妹の叔母役の浪花千栄子である。
この二人は、助演賞級の名演技。
それぞれの映画俳優としてのキャリアの頂点と言ってもいいのではないか。
女優たちやきらびやかな着物を美しくみせる撮影も素晴らしい。
専門的なことは知らないが、この頃のカラー技術がもっとも日本家屋や伝統的風物を映すのに適しているように思う。
コクと彩がある。
何度もテレビ化されているが、ソルティはそのどれをも見ていない。
が、この映画に勝るものはないと断言できる。
評価:★★★★
★★★★★ もう最高! 読まなきゃ損、観なきゃ損、聴かなきゃ損
★★★★ 面白い! お見事! 一食抜いても
★★★ 読んでよかった、観てよかった、聴いてよかった
★★ いい退屈しのぎになった
★ 読み損、観て損、聴き損