「金沢ゆめのゆ」は、露天ありサウナあり寝湯あり炭酸風呂ありジャグジーあり岩盤浴ありカラオケ広間ありスナックあり休憩室ありのごく一般的な温浴施設に、ホテルが併設している。
エコノミーシングルというのに泊まったが、ネットカフェ同様のつくりで、ただブースを広くとってベッドを入れてあるといった感じ。
壁が薄いうえに天井部分が空いているので、左右前後のブースの物音が筒抜けである。
どこからか凄いイビキが轟いてくる。
迷惑千万と言いたいところだが、実はソルティも最近イビキが凄い(らしい)。
「お互いさま」と気にせず寝ることにした。


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金沢ゆめのゆ


二日目(11月13日晴れ)
09:40 金沢駅
    城下まち金沢周遊バス乗車
10:00 本多町バス停下車
    鈴木大拙館
14:30 本多町バス停乗車
14:40 近江町市場下車  
    昼食「市場寿司」
15:55 金沢駅発(北陸新幹線かがやき510号)


鈴木大拙館は2011年10月開館。
設計は金沢にゆかり深い建築家の谷口吉生。
位置的には、ちょうど北陸放送の裏手で小立野(こだつの)台地の緑地のふもとにある。
周囲は静かな住宅街である。


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大拙館のとなりには、松風閣庭園(旧本多家庭園)と茶道具の逸品を集めた中村記念美術館とがあって、これら建物の間を縫うように気持ちのいい散策路がつくられている。
金沢随一のパワースポットと言ってよい。


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松風閣庭園


心身洗われたところで大拙館に入る。
すぐさま目に入るのが、コンクリートの壁と通路に囲まれた池。
人工的で幾何学的なラインと、壁の背後からせり出してくる木々の生命力、それらを光と共にとらえて映しかえす静かな水面。
まさに禅的空間がそこにあった。


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建物内部には、展示空間と学習空間がある。
鈴木大拙の足跡や活動を学んだり、ゆっくり座って仏教や禅の図書を閲覧したり、静かに過ごせる。
仰々しい展示や説明や音や装飾はいっさいなく、たとえば壁に書の掛け軸一つ、花を生けた花瓶一つ、寂しいまでに簡素で、それが“間”を感じさせる。
物があることによって、かえって「空」を感得させる。
物語ゆえに人は「空」を知る。
心は静まって、自然、瞑想モードに入っていく。

鈴木大拙は1870(明治3)年金沢生まれ。
禅、仏教に関する多くの本を英語で書いて、海外に禅文化を広めた人である。
しばらく前から欧米は禅ブームで、ZENという言葉はそのまま辞書に載っており、フランスでは「静かにする、落ち着く」という意味で使われていると聞いた。
故スティーブ・ジョブズがZENを愛していたこともよく知られている。
おそらくマインドフルネス瞑想ブームと軸を一にしているのだろう。
このブームの下地というか端緒を作ったのが、鈴木大拙なのである。

ソルティ知らなかったが、大拙は妻のベアトリスと共に神智学協会に入会していたらしい。
神智学協会と言えば、あのクリシュナムルティを「世界教師の器」として見出し、営々と養い、結果的には足蹴にされた国際的スピリチュアル団体である。
また、大拙はスウェーデンボルグの『天界と地獄』も翻訳している。
仏教のみならず、スピリチュアリズム全般に造詣深かった人らしい。

池の周囲の日当たりのいいベンチに座る。
時間が経つにつれ、入場者が増えていく。
驚くのは外国人の多さである。
日本人より外国人のほうが多いくらいだ。
金沢の観光案内マップでは大拙館は決してメジャーな扱いではない。
やはり、海外の禅ブームは本当なのだろう。

2時間ほど瞑想。


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後ろ髪をひかれる思いで大拙館を去る。
バスの窓から、男川の異名を持つ犀川にさよならする。

近江町市場でバスを降りて、寿司を食べる。
カニの殻を使ったあら汁がとても旨かった。


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近江町市場

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おまかせ握り(10貫1800円)

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アデュー、犀川!


次の来沢は近いことだろう。