ほすぴたる記も10を数えてしまった。
 一週間程度で退院できると思っていたのに・・・。

 昨日から車椅子自操OKになった。一人でトイレはもちろん、エレベーターで階下に行って売店で買い物もできる。ラウンジでコーヒーも飲める。
 車椅子の扱いならまかせてよ! 車椅子寅次郎の異名を持つソルティである。
 ベッドに根を生やした生活を脱して行動範囲が広がった。気分的にずいぶん楽になった。

 自力でトイレに行ける安心感のためか、排便が3回もあった。
 介護の教科書には、介護高齢者が便秘になる原因として、たとえば水分不足や運動不足や消化力の衰えなど、いろんな原因をあげている。加えて、介護してくれる者への遠慮というのも大きいんじゃないかと思う。他人の手を煩わせたくなくて、知らず腸が緊張してしまうのだ。

 ギブスも作った。
 骨折治療のギブスと言うと、石膏でカチンカチンに固めて、マジックで落書き、何日も洗っていない蒸れた皮膚の発する悪臭に耐えること幾十日、鏡開きのごとく「ギブスを割った」日を祝う、というイメージがある。40年前の右腕骨折ではまさにそうだった。
 しかし、今やそんなイメージはそれこそ、石膏のごと凝り固まった古いものだ。
 今の主流は、重くて固めるのに時間のかかる石膏製ではなくて、より軽くてスピーディーに固まるグラスファイバー製なのである。
 これなら、縦に二つ分断した状態で患部につけることができるので、適宜取り外しが可能。患部を洗ったり、マッサージしたり、少しずつリハビリしたりできる。血行不良や筋肉硬化や嫌な臭いや掻くことのできない痒みに苦しめられることがない。
 素晴らしきかな、科学技術!

 ちなみに、ここまでギブスと書いてきたが、正確にはギプス(gips)である。

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寝る時は足の背面部分だけの装着にして不快感を減らす



 昨晩はテレビで『スターウォーズ フォースの覚醒』(2015)を観た。
 「相も変わらず、大宇宙を舞台の家族のトラウマドラマをやっているなあ~」と“全米”らしさにあきれたが、時の経つのを忘れる面白さは健在だった。3時間近く観ている間、足の痛みをまったく忘れていた。フォースの力?
(それにしても、実の父親と実の息子が揃ってダークジェダイとは、レイアの業は深い)

 今日は友人が見舞いに来てくれた。
 バナナやプリンと一緒に、待望のマジックハンドを買ってきてくれた。
 これこそ、今のソルティのライトセイバーである。

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