1984年中国・香港合作
第一部 火焼圓明園 93分
第二部 垂簾聴政 115分

中国史上稀代の悪女と言われる西太后の半生を描いた映画。
1985年に日本で公開された際は、本作を編集し129分に縮めたものが上映された。
未見であった。

西太后は、清朝第9代皇帝・咸豊帝(かんほうてい、在位1850年-1861年)の后の一人。
第10代皇帝となった同治帝を生み、並ぶものない権勢を誇った。

西太后


本作にも描かれているが、咸豊帝の寵愛を受けた麗姫の手足を切り落として水瓶に漬けた残虐エピソードが有名である。
が、これはフィクションであるらしい。
咸豊帝亡きあと、正妃で後継者を生まなかった孝貞顕皇后 (こちらは東太后と呼ばれた)と協力して幼い皇帝を摂政していることからも推察されるが、必ずしも嫉妬深い女ではなかったのではないか。
ともあれ、二人の皇后が幼い皇帝の左右に居並んで、御簾の後ろから政治を操るという構図は、中国史のみならず世界史上も他に聞いたことがない。

本作は西太后の伝記であると同時に、欧米列強に脅かされる19世紀末期の中国の情勢を描いている。
ラストエンペラーたる清国第12代皇帝、愛新覚羅溥儀(あいしんかくらふぎ1906-1967)の登場目前である。
中国の歴史大作らしい壮大な野外ロケ、大量エキストラ動員、絢爛豪華なセット、色彩の氾濫が楽しめる。
西太后を演じるリュウ・シャオチン、および咸豊帝の重臣で西太后に粛清された粛順を演じるシャン・クンの演技が素晴らしい。
ストーリーテリング(脚本)と演出は今一つで、中だるみした。

それにしても、共産党が支配する時代が来るとは、このときだれが予想しえただろう?



評価:★★

★★★★★
 もう最高! 読まなきゃ損、観なきゃ損、聴かなきゃ損
★★★★  面白い! お見事! 一食抜いても
★★★   読んでよかった、観てよかった、聴いてよかった
★★    いい退屈しのぎになった
     読み損、観て損、聴き損