1955年チェコ
93分
カラー

 カレル・ゼーマン(1910-1989)はチェコスロバキア出身のアニメーション監督、特撮映画監督。
 CGのない時代に多彩なテクニックを駆使して生み出された、美しく詩的な映像作品の数々は、まさに「幻想の魔術師」「映像の錬金術師」という異名にふさわしい。
 名前だけは聞いていたが観るのは初めてであった。

前世紀探検

 
 タイトルに言う「前世紀」とは、この作品が作られた時代の前世紀に当たる「19世紀」のことではない。歴史以前の時代、つまり人類誕生前の地質時代のうち、三葉虫のいた古生代、恐竜のいた中生代、哺乳類と鳥類が繁栄する新世代(現代はここに含まれる)を意味している。

 4人の少年が、偶然見つけた「時を流れる川」をボートで遡りながら、新世代、中世代、古生代を探検し、さまざまな動植物と出会うSF冒険ファンタジーである。
 『地底探検』と『ジュラシック・パーク』と『スタンド・バイ・ミー』を混ぜ合わせ、ディズニーで包んだような感じだが、ディズニーよりもずっと詩的で、幻想色が強い。同じ年に公開されたチャールズ・ロートンのサスペンス映画『狩人の夜』とタッチが似ている。ロートンはもしかしたら、ゼーマンを観ていたのかもしれない。

 たしかに、特撮技術の高さにも驚かされるけれど、何と言っても際立っているのは映像の美しさである。
 他のゼーマン作品も観てみたい。

三葉虫
三葉虫はカンブリア紀に現れて古生代の終期に絶滅した節足動物


評価:★★★★

★★★★★
 もう最高! 読まなきゃ損、観なきゃ損、聴かなきゃ損
★★★★  面白い! お見事! 一食抜いても
★★★   読んでよかった、観てよかった、聴いてよかった
★★    いい退屈しのぎになった
     読み損、観て損、聴き損