105分、カラー
老人介護をテーマとする自主製作映画である。
小規模の介護施設で働くことになった青年が、失敗や戸惑いを重ねながらも、スタッフや利用者との出会いを通して一人前のケアニンになっていく姿を描く。
同業者であるソルティの目から見ても、よくできていると思った。
実際の介護現場の風景や認知症老人たちの姿が、きちんとリアリティもって描かれている。しっかりと現場を取材したことが知られる。
元ホステスの女性スタッフが、元モウレツ社員でプライドの高い男性利用者の怒りを、持ち前の話術とお色気攻撃で見事にいなしてしなうエピソードなど、「ある、ある」と頷いてしまった。
脚本と演出も良い。
内容からして、まかり間違えば「感動ポルノ」になりがちなところを、程よく抑制を効かせている。観終わったあと、しみじみとした感動が広がる。
内容からして、まかり間違えば「感動ポルノ」になりがちなところを、程よく抑制を効かせている。観終わったあと、しみじみとした感動が広がる。
役者陣も良い。
主役の青年・大森圭(21)を演じている戸塚純貴は、1992年生まれのイケメン。『仮面ライダーウィザード』やゼクシィCMに出演していたらしい。
大森圭がはじめて担当した利用者は認知症の星川敬子(79)。膵臓がんが見つかって、最後は施設で看取られる。この難役を水野久美が好演している。老け役をやってもシワが映るのを許さない吉永小百合や岩下志麻なんかとは違い、シワも白髪も髪の薄さも隠さず、しっかりと79歳の呆けた女性になりきっている。役者魂を感じる。
敬子の息子役の山崎一も、母親に顔を忘れられて戸惑いつつも、次第に母への愛情を取り戻していく昨今の企業戦士を印象深く演じている。
主役の青年・大森圭(21)を演じている戸塚純貴は、1992年生まれのイケメン。『仮面ライダーウィザード』やゼクシィCMに出演していたらしい。
大森圭がはじめて担当した利用者は認知症の星川敬子(79)。膵臓がんが見つかって、最後は施設で看取られる。この難役を水野久美が好演している。老け役をやってもシワが映るのを許さない吉永小百合や岩下志麻なんかとは違い、シワも白髪も髪の薄さも隠さず、しっかりと79歳の呆けた女性になりきっている。役者魂を感じる。
敬子の息子役の山崎一も、母親に顔を忘れられて戸惑いつつも、次第に母への愛情を取り戻していく昨今の企業戦士を印象深く演じている。
ここで描かれているのは、「理想の施設、理想の介護」に近い。
職員がみなモチベーション高く、チームワーク良く、近隣の住民や子供たちとの交流があり、利用者の特技ややりたいことを発揮させ、徘徊したらスタッフが付き添う。
現実にはなかなかない職場だと思う。とくに、職員の質(介護技術よりむしろモチベーションや協調性の点で)が揃っているというのは、滅多にないことだろう。介護職の辞める理由で最も多いのは、「職場の人間関係」である。
職員がみなモチベーション高く、チームワーク良く、近隣の住民や子供たちとの交流があり、利用者の特技ややりたいことを発揮させ、徘徊したらスタッフが付き添う。
現実にはなかなかない職場だと思う。とくに、職員の質(介護技術よりむしろモチベーションや協調性の点で)が揃っているというのは、滅多にないことだろう。介護職の辞める理由で最も多いのは、「職場の人間関係」である。
そういった「きれいごと」の部分もなきにしもあらずだが、介護という仕事の面白さややり甲斐、老いや認知症のありのままの姿、家族の誰かが介護が必要となった時にほかの家族たちに突き付けられる現実・・・・これらをしっかりと描いているこの映画は、老いや介護に関心を持つすべての人に推薦できる良作である。
評価:★★★
★★★★★ もう最高! 読まなきゃ損、観なきゃ損、聴かなきゃ損
★★★★ 面白い! お見事! 一食抜いても
★★★ 読んでよかった、観てよかった、聴いてよかった
★★ いい退屈しのぎになった
★ 読み損、観て損、聴き損
★★★★ 面白い! お見事! 一食抜いても
★★★ 読んでよかった、観てよかった、聴いてよかった
★★ いい退屈しのぎになった
★ 読み損、観て損、聴き損