オペが終わった。

 午前中の患者のオペが長引いて、午後1時開始の予定が4時半になった。

 待っている間、道尾秀介の『向日葵の咲かない夏』(新潮文庫)を読み終えた。
 生まれ変わり(輪廻転生)をテーマに絡ませたミステリーで、その点は新機軸だけれど、推理小説としては感心しなかった。
 登場人物たちが死んでもすぐに生まれ変わっちゃうという設定が、肝心の殺人自体を卑小に感じさせてしまうのは致し方あるまい。
 ただ、ダークファンタジー作家としての道尾の才能は十分認められた。
 手術前不安を緩和してもらえたストリーテリングにも感謝!

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 4時半に手術室入りして、なんやかんやと準備に時間がかかり、麻酔注射を打った時は5時を回っていた。

 足元から家庭内手工業的な音がする。異和感はあるが、痛くはない。
体の緊張と心拍音の上昇は、実際の痛みのせいではなく、痛みを予期してしまうからだ。
 局所麻酔は全身麻酔に比べ侵襲性が低いと言われるのだが、心臓と精神には良くない。
 とはいえ、華岡青州の時代と比べたら天国である。

痛み、痛み、痛み、音、音、音、(おなかの)膨らみ、膨らみ、膨らみ・・・・

 ここぞとばかり、ヴィパサナ瞑想していたら、オペの終わり頃に波動が変わり、脳内ルクスが上がった。

 オペにかかった時間は正味15分、一番痛かったのは、結局、麻酔注射だった。

 5時半に病室に戻って数独していたら、術前説明時に担当ドクターに頼んでおいた品物が届けられた。

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 これでアクセでも作ろうか!