本日退院した。
 払った費用は、差額ベッド代の9900円(1650円×6日)であった。

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入院最終日の昼食(野菜ジュースは自持ち)

 
 ソルティは多床室で同室の患者が立てる物音は(イビキも含めて)さほど気にならないのであるが、匂いは気になった。
 今回は途中からストマ(人口肛門)を持つ寝たきり患者が入ってきて、そのストマがよく漏れるのである。排泄口に合っていない装具を使っているんじゃないかと思う。

ストーマ(stoma、ストマとも)とは、消化管や尿路の疾患などにより、腹部に便又は尿を排泄するために増設された排泄口のことである。ストーマを持つ人をオストメイトと呼ぶ。
(ウィキペディア『ストーマ』より抜粋)

 朝に、昼に、真夜中に、時を選ばずその患者のストマは漏れ、そのたび便臭が病室いっぱい充満する。
 やはり、これは気持ちいいものではない。
 ソルティは介護職なので、通常の人に較べれば他人の便臭などへっちゃらである。マスクしないで、おむつ交換や陰洗やストマ交換できる。
 だが、ケアのために他人の便を扱うのと、自分も患者として病床にいて他人の便臭に包まれるのとでは、やはり違うのだと体感した。喫煙所にしばらくいるとタバコの匂いが衣服に染みつくように、自分の寝具やパジャマやベッド周りの持ち物に他人の便臭が染みつくような気がした。
 つまり、自分の生活空間に入ってくる異臭は不快に感じるのである。
 何回かは窓を開けて換気したが、この寒さなので長いこと開けてはいられない。それに窓を開けるには、礼儀上、他の3人の患者の許可を得なければなるまい。それもメンドクサイ。

 と言って、手をこまねいていたわけではない。
 ソルティは常時ラベンダーのアロマオイルの小瓶を持ち歩いている。
 ティッシュにオイルを数滴たらし、ベッドサイドに置いておくと、消臭・殺菌・芳香・リラックス効果が期待できる!
 あら不思議。肥溜めが一瞬にして富良野の丘に。
(ただ、これも度が過ぎると、他の患者から文句が出かねないのでほどほどに)
 入院時には、消臭剤とアロマオイル。
 これは必須アイテムである。

ラベンダー畑



 家に帰ってほっと安心したけれど、実のところ、移動に関して言えば病院のほうがラクチンだった。
 病院では車椅子が使えたが、狭い家の中では車椅子も松葉杖も使えない。四つん這いになって這い回るほかない。ついには膝がこすれて痛くなったので、ネットでバレーボール選手がつけるような膝当てを購入した。
 シャワーもまた病院なら浴室用車椅子に乗り換えて、そのまま洗い場に入って洗体も洗髪もできるが、自宅だとそうスムーズにはいかない。清拭で済ませてしまうことが多い。


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 前回の17日間と今回の6日間で、いかにして心地よく入院生活を送るかをしっかりと学ばせてもらった。
 やっぱり、一番役に立ったのはマジックハンドである。