今日は担当医による診察日だった。
 病院の空き加減がはなはだしい。
 とくに整形外科の待合室の椅子はいつもの半分も埋まっていない。
 それほど必要もないのに来院していた高齢者が多かったってことか。

 視診もレントゲン結果も異常なし。
 今後は月一回の診察でよいらしい。
 「いまコロナで外来リハはやってないけれど、自主リハで頑張ってください」と先生。
 頑張りますとも。

 松葉杖なしでもかなり安定して歩けるようになった。
 が、杖なしだとケガをした左足は楽に流されて、足裏全体をべったりと地面につけてのガニ股歩きになってしまう。
 踵から先にまっすぐ地面につけて、最後はつま先で蹴る、正しい歩き方ができない。
 癖がついたらまずいので、もう少し松葉杖を使った矯正が必要だ。
 
 とにかく、左足一本での爪先立ちがまったくできないのである。(両足ならできる)
 「踵をやった人は爪先立ちができなくなることが多いですね」と、いつぞやリハビリスタッフが言った。
 「そうか、じゃあ、もうバレエはあきらめるか」
 「右足でならグランフェッティ(回転)できますよ」
 などと冗談を言って笑っていられたのは、片足だけで爪先立ちするシチュエイションなど日常にはないだろう、と思っていたからであった。

 なんと浅はかな!

 片足で爪先立ちができないってのは、走れないってことなのだ。
 わたし、もう走れないの?!
 その昔の大映ドラマ『赤い衝撃』の山口百恵のブルマに赤いハチマキ姿(スプリンター大山友子役)が浮かんだ。
 走れ! 俺のウサギ!(by 中条静夫)

爪先立ち

 
 爪先立ちの訓練を開始した。
 一番いいレッスンはバレエでなくて、浮力が利用できる水の中でのリハビリ、つまり水中ウォーキングだと思う。
 が、この時節スポーツジムに行ったものかどうか・・・。
 散歩の途中、会員証を持っている近所のスポーツジムをガラス越しにのぞくと、トレーニングルームは見事に閑古鳥が鳴いていた。
 一番近くの人との距離が3メートルくらいの人口密度の低さ。
 これならかえって安全かも・・・?
 
 午後は用事で都心に出かけた。
 山手線に乗るのは3ヶ月以上ぶりである。
 正午にJR上野駅に到着し、エレベータで構内に上がったら、衝撃的な光景が目の前にあった。

 上野駅が空いている!
 

 早朝や深夜はともかく、昼日中、こんなに閑散とした上野駅を観たのは、半世紀以上生きてはじめてであった。
 上野公園の博物館、美術館、動物園、科学館、軒並み休館。
 アメ横から中国人はじめ外国人の姿消えて。
  
 それでも桜は咲くだろう。


上野公園花見
上野公園