2018年ロシア
89分

 ロシア発のホラーミステリーとは珍しい。

 金髪碧眼の色白の美少女と、映画『ロッキー4』に出てくるライバルボクサーのような、ガタイのしっかりしたマッチョな刑事たち、雪原に立つ針葉樹の絵柄は、なるほどロシアっぽい。
 一方、映像はシュールなまでに幻想的で、ダリオ・アルジェントを思わせる色彩美と残酷にあふれている。

 主人公の少女は、霊能力を持つがゆえに、成仏できない霊たちに日夜すがられ、残虐な殺人現場を見せつけられる。
 それはあたかも、ドラッグ中毒患者が見る幻覚のよう。

 注意欠陥障害のように、めまぐるしいスピードで次から次へと転換される悪夢のごとき残酷シーンに、途中でうんざりしてしまう。
 ストーリーがせわしい上に、現実と幻覚の区別が曖昧で、全体が混沌としてわかりづらい。
 もうちょっと、落ち着いて、物が作れないのか。



おすすめ度 :

★★★★★
 もう最高! 読まなきゃ損、観なきゃ損、聴かなきゃ損
★★★★  面白い! お見事! 一食抜いても
★★★   読んでよかった、観てよかった、聴いてよかった
★★    いい退屈しのぎになった
★     読み損、観て損、聴き損