梅雨の晴れ間の日曜日、秩父温泉・満願の湯に行ってきた。
コロナ感染が再び広がっている中、不要不急の移動はなるべく控えるべきところだが、同じ県内移動だし、梅雨時だし、山の中だし、そのうえ早い時間帯に行けば、3密となる可能性は少ないだろう。
何と言っても、この温泉に行くのを一つの目標として、ここまで治療とリハビリを頑張ってきたので、行かないことには区切りがつかない。
足のケガにはもちろん、最近とみにひどい肩こりにもきっと良い効果があるだろう。
とにもかくにも、自然の気を浴びたい!
電車を乗り継いで、まずは秩父鉄道・秩父駅へ。
梅雨らしいどんよりした日々が続いていたが、今日はさわやかな五月晴れの予感。
秩父の雄・武甲山が迎えてくれた。
ちなみに、「五月晴れ」とは本来、梅雨の晴れ間のことを言ったそうな。
昔(太陰暦)の皐月(さつき)は、今(太陽暦)の六月にあたるのだ。
駅近くの秩父神社に参詣する。
ここは秩父34札所巡礼の際に立ち寄って、御朱印をいただいた。
清新な気の満ちる、気持ちのよい境内である。

秩父神社本殿
主祭神は
- 八意思兼命(やごころおもいかねのみこと)
- 知知夫彦命(ちちぶひこのみこと)
- 天之御中主神(あめのみなかねのみこと)
- 秩父宮雍仁親王(ちちぶのみややすひとしんのう)
スサノオノミコトは、日本神話のヤマタノオロチ退治で有名な英雄だが、神仏習合においては、インドの祇園精舎の守護神であった牛頭天王(ごずてんのう)の垂迹神とみなされ、厄病除けの神様として知られる。
秩父神社の縁起にはこう記されているそうだ。
天武天皇白鳳四年(676)、天下疫病大いに流行し、其の災禍を禳わんことを祈る為に、国造奏請して社殿を造営し始めて、鎮祭せられたり
秩父神社では、新型コロナウイルスの沈静化と氏子の皆様の平穏無事を祈って、悪疫病除けの護符『素戔嗚尊』を作成し、参詣者に無料で配布している。
それがこれだ。
土地の神への挨拶と骨折治癒の御礼を終えたあと、秩父鉄道に乗る。
空いていた。
普段の日の晴れの休日なら、長瀞観光や山登り客で賑わいでいるところだ。
向かい席の40代の父親と10代の息子は明らかに鉄チャンで、マニアックかつメカニックな会話のやりとりが面白かった。この親子はきっと、子供が思春期を迎えても、成人しても、会話が無くなることはないだろう。羨ましい気がした。
皆野駅から町営バスに乗る。
乗客はわずか4人、秩父温泉バス停で下りたのは自分ひとりだった。
時刻は午前11時。
「おや?」と思うほど駐車場が埋まっていたので、イヤな予感がした。
入館して、更衣室の暖簾をくぐってみると、若い男がいっぱい。
「なぜ? しかもこんな早い時刻から?」
午後ならばまだ、登山を終えた汗臭い客やツーリング族であふれるのは分かるのだが・・・。
混雑している洗い場を素通りし、日野沢川の渓流を見下ろす露天風呂に直行する。
二つある湯舟はどちらも、やはり若い男の群れに占領されていた。
しかも、次から次からへと、新たな一団がやってくる。
3密ならぬ、男密・・・。
彼らの会話を聞いて、わけが分かった。
満願の湯の裏手には、コテージやトレーラーハウスが並ぶ「満願ビレッジ」というオートキャンプ場がある。
彼らは、前日に仲間と車でやって来て、そこに泊まっていたのであった。
午前10時のチェックアウト後、たいがいはアルコールを抜く為、ちょうど開館したばかりの温泉に押し掛けたのである。
「う~ん、そこまでは読めなかった」
会話を聞いていると、「明日からまたテレワークだよ」、「だれだれ先輩の結婚式、コロナで延期になったんだよな」などと言う話も聞こえ、中にはマスクをつけたまま入浴している男もいた。
なんて卑猥な・・・(笑)
正午を過ぎると、急に閑散としてきた。
ゆっくりと露天風呂で体をほぐし、夏の緑に覆われた渓谷と滝の眺めを楽しみ、渓流と鳥の声を堪能した。
どんなにかこの瞬間を待ちわびていたことか!
「ほすぴたる記」もこれで一段落。
これからも忍耐と根気を必要とするリハビリは続くが、日常の行住坐臥はほぼ原状復帰と言ってよかろう。
走ったり、階段をスムーズに下りたり、山登りしたり、重労働したり、長時間座禅を組んだりするのは、今後の課題として残っているけれど、ここまで回復したことに感謝。
心身ともにさっぱりしたあとは、長かった闘病生活のご褒美を享受した。
回復までの経過が気になりますよね。
自分もネットで踵骨骨折した方の記事を探しては、自分と比べておりました。
もう事故から9ヶ月が過ぎました。
8月からは隔週でリハビリに通っていましたが、今月いっぱいでとりあえず終了となります。
回復度は個人差が大きいですね。
自分の場合、もともと関節が固かったのと50半ばなので、もとのようには戻らないと思っています。
いまもまだ、長く歩くとくるぶしの筋に痛みが生じます。
といって、安静にしすぎると固まってしまい(たとえば寝起き)、やはり次に動かすとき、痛みとぎこちなさがあります。
それでも駅などの階段の下りが手すりなしでもできるようになったので、日常生活ではあまり不便は感じないようになりました。
ひとつ痛感したのは、つま先立ちの訓練を早めにして足先を鍛えないと、つま先立ちができなくなる=走れなくなる、ケガした足での片足立ちが難しくなる、ということです。(片足立ちのバランスは、足の親指と小指の力でとっているのです)
いまは週3日くらいプールで水中ウォーキングもしています。
プールの中であれば、走れます。
無理せず、怠けず、つきあっていこうと思っています。
お大事に!
ソルティはかた
が
しました