2018年フランス、ベルギー
96分

 三度の飯よりダンスが好きな22人の若者たちが、公演のリハーサル後のパーティーで知らずにLSDを飲んでしまい、次第に常軌を逸して、地獄の饗宴へと化していく様を描く。
 「覚醒剤やめますか? 人間やめますか?」を地で行く作品である。

 演技未経験の若者を集めたらしいが、ダンスは本当にすごい。
 身体能力とリズム感、それに流れている音楽に自然に身をまかすレイブ感覚は、ソルティのようなオジサン・オバサンにはまったく縁のないものである。
 人体の可動範囲の限界に挑戦するかのような振付けもすごい。ルカ・グァダニーノ監督の『サスペリア』を思い出した。
 そう、まさにサバトの夜である。


サバト


 ギャスパー・ノエ監督の作品を観るのはこれが初めてだが、話題になった『アレックス』(2002)はじめ、暴力と異常なセックスをテーマにした斬新な映像が特徴のようだ。
 こういったものを50歳過ぎても撮り続けるには、幼少期の相当なトラウマを必要とするだろう。
 ノエ監督の先が危ぶまれる。
 


おすすめ度 : ★★

★★★★★ 
もう最高! 読まなきゃ損、観なきゃ損、聴かなきゃ損
★★★★  面白い! お見事! 一食抜いても
★★★   読んでよかった、観てよかった、聴いてよかった
★★    いい退屈しのぎになった
     読み損、観て損、聴き損