979年イギリス カナダ
124分
DVDパッケージ解説の「数あるシャーロック・ホームズの映像化作品の中でも屈指の名作」という謳い文句に誘われ借りてみた。
「だまされた~
」とまでは言わないが、「屈指の名作」は言い過ぎ。

19世紀ロンドンに実在した連続猟奇殺人魔・切り裂きジャックとの対決を呼び物としているように、コナン・ドイルの原作ではない。
それはいいとしても、肝心のホームズ(=クリストファー・プラマー)の推理がさえず、謎の解き明かしの大部分を霊媒(=ドナルド・サザーランド)に頼るというのがいただけない。
しかもこのホームズ、勘も鈍く、運動神経もいまいち。大事なところで気絶するは、人前で涙で頬を濡らすは、怒りにまかせて病院内で乱闘騒ぎを起こすは、黒幕たちを前に法廷弁護士のような縷々の大演説をぶつは、原作のホームズとかけ離れている。
朋友ワトソンへの愛情あらわなまなざしといい、人間らしさを強調したホームズ像と言えなくもない。
が、シャーロキアンのソルティにしてみれば、「こんなのホームズじゃない!」とぼっそり呟きたくなる。
19世紀末のロンドンの街の風情を堪能できる映像はよい。
朴訥として人の好いワトソンを演じるジェームズ・メイソンの名優ぶりも光っている。

おすすめ度 : ★★
★★★★★ もう最高! 読まなきゃ損、観なきゃ損、聴かなきゃ損
★★★★ 面白い! お見事! 一食抜いても
★★★ 読んでよかった、観てよかった、聴いてよかった
★★ いい退屈しのぎになった
★ 読み損、観て損、聴き損