このところ、一昨年に結願した四国遍路の旅の記憶が、ちょっとしたきっかけで不意によみがえってくることが多い。
旅を終えたばかりの時に圧縮保存しておいたものが、時間が経つにつれ解凍して記憶の底から浮上してきたみたいな感じ。
あそこであんなことがあった。
ここでこんな人と出会った。
かしこでこんなものを見た。
そこではこんなことを思った。
・・・・・等々。
きっと、ここ数ヶ月のコロナ自粛のせいで旅に出られない欲求不満から、頭の中で自然と四国遍路の記憶を引っ張り出して反芻しているのだろう。
あるいは、あまりに重すぎてすぐには消化できなかったものが、やっと消化(昇華)できるほどに余裕が生まれたのだろうか。
ならばこの機会にブログ上でもう一度、四国遍路をめぐってみよう。
1番札所から順に、徳島→高知→愛媛→香川の108の霊場(88札所+別格20札所)をたどり、撮影した画像とガイドブックと旅日記をたよりに、記憶を新たにしてみようではないか。
ただの日誌では芸がないので、ちょっとした趣向を凝らす。
各札所には御詠歌と呼ばれる短歌がある。
お寺の名前を歌の中に盛り込み、法の尊さや御仏のありがたさを詠んだものが多い。
たとえば、徳島にある22番札所・白水山平等寺(はくすいざんびょうどうじ)の御詠歌は、
平等に へだてのなきと きく時は あらたのもしき 仏とぞみる
これにならって、オリジナルの御詠歌を作ってみたいと思う。
やはり寺の名前を歌に盛り込みながら、道中の思い出や札所の印象などを一首に込める。
1回の記事で6つの札所をめぐれば、18回で完遂し、108の歌ができる。
3日に1度くらいのペースで記事をアップできれば、約2ヶ月で四国一周できる。
ちょうど自分が実際の旅で要した日数と重なる。
コロナ自粛でもバーチャルツアーなら可能である。
読んだ人が、一緒に四国を旅した気分になってもらえれば、つまりソルティと空海と同行三人になってくれたら、うれしい限りである。

