2018年9月下旬のある日、四国遍路88札所と別格20札所、あわせて108の霊場を歩いてめぐる旅に出た。これはその記録である。
各札所には御詠歌と呼ばれる短歌がある。お寺の名前を歌の中に盛り込み、法の尊さや御仏のありがたさを説いたものが多い。
ここでは、やはり寺の名前を盛り込みながら、道中の思い出や札所の印象などをオリジナル御詠歌にして詠んでみた。
【高知県】
37番岩本寺~38番金剛頂寺~39番延光寺は、札所間距離がとても長く、足摺岬を回るため見どころも多い。
よって、今回札所は2カ所のみ。
岬の東側と西側の風景を楽しんでいただきたい。
四国遍路は初めてで、できる限りお寺の通夜堂や善根宿を利用し、
旅費を抑えているとのこと。彼女とは今後、出会いと別れを繰り返すことになる。
この日は珍しく雨模様だった
38番から打ち戻って39番に向かうへんろのために真念上人が建てた。
この宿で九州から来たYさんと出会った(後述)
「今日は晴れるぞ!」
Yさん(写真)としばらく同行
二人の歩くペースが速い(ソルティが遅い)のでもう会うことはなかろう
38番札所: 蹉陀山 金剛福寺 (さださん こんごうふくじ)
御本尊: 三面千手観音菩薩
本歌 : ふだらくや ここは岬の船の竿 とるもすつるも 法のさだ山
コメント: 何日も杖を突いていると、先端が割れ、ささくれが四方に広がって、あたかも花が咲いたかのように見える。これを杖の花と言う。足摺岬に到着する頃は、すでに2回くらい開花して散って、を繰り返していた。この札所に到着したときの達成感は、88番結願時よりも大きかった。境内で出会ったどの遍路の顔にも充実感が漲っていた。
【次の札所まで72.5㌔】
階段で海面まで下りる
内陸(真念庵)を通って39番へと向かう。
ソルティは海岸沿いに、叶崎・月山神社・大月町を経由するロングコースをとった。
(下記地図参照)
仲ノ浜村(現・土佐清水市中浜)の貧しい漁師の家に生まれた
四国じゅうを巡り歩いた弘法大師もここだけは見残したという
と言っても車はほとんど通らない
西部劇に出てくる廃れた町のようだった
この近くで快適な宿を見つけた
39番延光寺はここから内戻りとなる
いくたびの 出会い不思議な 延光寺
我はあちらに 彼はこちらに
御本尊: 薬師如来
本歌 : 南無薬師 病悉除(しつじょ)の願こめて 詣るわが身を 助けましませ
コメント: 幾度となく出会う遍路がいた。九州から来た定年退社したばかりのYさん。足摺岬の手前の宿の夕食の席で出会い、翌日しばらく一緒に歩き、休憩所で別れた。その日の夕方、足摺岬の遊歩道で会った。翌日、岬を回ったところにある土佐清水の町中のスーパーで会った。そこからは別々のルートを行くことになった。さすがにもう会わないかなと思っていたら、延光寺への一本道で向こうからやって来るのが見えた。出会うたびに世俗の垢が抜けて、行者らしくなっていく。きっと、こちらもそう思われている。もっと突っ込んだ話がしたかったな。
【次の札所まで27.0㌔】
次回予告!
愛媛県に入ります‼