1941年アメリカ
128分、白黒
原題は That Hamilton Woman
イギリス史上最大の英雄といわれるホレイショ・ネルソン海軍提督と、イギリス外交官サー・ウィリアム・ハミルトンの奥方であったエマ・ハミルトンの運命的な出会いと別れを描く。
史実にあった有名な不倫である。
現エリザベス女王の叔父で愛人のために王位を捨てたエドワード8世、ダイアナ妃と結婚中もカミラ夫人とつきあい続けたチャールズ皇太子、そしてメーガンのためになりふり構わず王室もイギリスも捨てたヘンリー、冷静で自己制御の達者なイメージある英国男の意外な情熱家ぶりをここにも見る。
いや、英国紳士は恋にも職務にも真面目なのだ。
いや、英国紳士は恋にも職務にも真面目なのだ。
ネルソンを演じたローレンス・オリヴィエとエマを演じたヴィヴィアン・リーはしばらく前から不倫関係にあったが、本作撮影中にどちらも離婚が成立、撮影終了後に晴れて結婚したという。
それを知って鑑賞すると、二人のぴったりの呼吸や視線の微妙なからみ合い、自然な抱擁とキスの仕草に、納得がいく。
あいかわらずヴィヴィアン・リーの美貌に目が覚めるが、演技も達者。
ネルソンに死なれたエマは、盗みを働き、娼婦と一緒に牢屋に入れられるまでに落ちぶれる。
リーは美貌何するものぞの意気込みで、尾羽打ち枯らした老け役にチャレンジしている。
ただ、彼女の声は猫のように甲高く、舌足らずなふうで、ちょっと耳障りである。
『風と共に去りぬ』のあとに作られているので、当然カラー映画と思ったら白黒だった。
考えてみたら、スカーレット・オハラ以外、カラー映画のヴィヴィアン・リーを観たことがない。
もったいない話である。
おすすめ度 : ★★★
★★★★★ もう最高! 読まなきゃ損、観なきゃ損、聴かなきゃ損
★★★★ 面白い! お見事! 一食抜いても
★★★ 読んでよかった、観てよかった、聴いてよかった
★★ いい退屈しのぎになった
★ 読み損、観て損、聴き損