2021年祥伝社新書
副題「歴史と伝承が息づく13話」
約30年間ヨーロッパに住み続けてきた著者二人が、多くの国や地域を訪れるなかで触れてきた地域特有の風習や有名な伝説、怪奇事件を取り上げている。
各話につけられたタイトルを羅列すると、
- 自殺を誘発する曲『暗い日曜日』
- 火事を招く絵『泣く少年』
- 実在した「呪いの人形アナベル」
- 最強の心霊現象・エンフィールド事件
- バチカンが正式に認めたファティマの奇跡
- ドッペルゲンガーを目撃した有名人
- 650人の処女を生贄にした伯爵夫人
- 21世紀に暴かれた、切り裂きジャック
- ルートヴィッヒ2世の幽霊
- 怪僧ラスプーチン暗殺の謎
- 天才科学者ニコラ・テスラの未開発技術
- 現代によみがえった吸血鬼
- ユダヤ教の人造人間ゴーレム
映画や小説や漫画の題材にもなった有名な話ばかりである。
ソルティがよく知らなかったのは、2の「泣く少年」の逸話(ネットで検索したら問題の絵はどこかで観た覚えがあった)、11の天才科学者ニコラ・テスラの業績、それにラスプーチンのペ×スの長さについてくらいだろうか。
交流電流、電動機、蛍光灯、無線装置などを発明し世界的にはエジソンを凌ぐ天才とみなされているニコラ・テスラの名が、日本ではほとんど聞かないのが不思議である。
彼が考案した、エネルギーが無料になる「世界システム」や、軍艦を敵のレーダー上から消すことができる「レインボー・プロジェクト」などは、莫大な利権や武器開発に関わる畏れるべき発明であり、国家や大企業の絡む巨大な陰謀が見え隠れする。
まるでオカルト映画かSF映画のような不思議きわまる「フィラデルフィア実験」についてはそのうち調べてみたい。
バチカンの歴代法王を震え上がらせ40年以上封印されてきたファティマ第3の予言は、2000年に時の法王ヨハネ・パウロ2世の決定により正式発表された。
ソルティが子供の頃は、世界の怪奇事件を扱った子供向けの本や漫画、オカルト系番組には必ずと言っていいほど取り上げられ、見聞きするたびに不安と好奇心とが入り混じった気分にさせられたものである。
なのに、正式発表された頃(30歳を超えていた)にはまったく興味を失っていて、内容も確かめなかった。
その前年(1999年)に「ノストラダムスの大予言」が外れたことで、一気にオカルト熱が冷めたのだったか?
よく覚えていない。
よく覚えていない。
本書を読むと、「ファティマの奇跡」は1973年にほかならぬ日本の秋田の修道院のシスターの身の上にも起っていたそうだ。
ある日、笹川シスターの前に聖母が出現しメッセージを伝えたのだが、その内容がファティマ第3の予言と同じだったという。
そう言えば、秋田にはイエス・キリストの墓があるという伝承があった。
いや、青森だったか?
ラスプーチンのそれの長さと同じくらい、どうでもいい話だ。
★★★★★ もう最高! 読まなきゃ損、観なきゃ損、聴かなきゃ損
★★★★ 面白い! お見事! 一食抜いても
★★★ 読んでよかった、観てよかった、聴いてよかった
★★ いい退屈しのぎになった
★ 読み損、観て損、聴き損