2019年祥伝社
本書では、第一次大戦以降に世界で起こった内戦・外戦について述べられている。
むろん数え上げたらキリがないので、ほんの一部に過ぎないが。
1939~1945年 第二次世界大戦(アジア・太平洋戦争含む)1945年~1949年 インドネシア独立戦争1948年~1973年 中東戦争1950年~ 朝鮮戦争1960年~1975年 ベトナム戦争1962年 キューバ危機1968年 プラハの春(チェコ事件)1969年~1998年 北アイルランド紛争1971年~1992年 カンボジア内戦1975年~2002年 アンゴラ内戦1979年 中越(中国×ベトナム)戦争1979年~1989年 ソビエト連邦のアフガニスタン侵攻1983年 アメリカのグレナダ侵攻1980年~1988年 イラン・イラク戦争1989年~2001年 アフガニスタン内戦1990年~1991年 湾岸戦争1991年~ ソマリア内戦1991年~2000年 ユーゴスラビア紛争2001年~ アメリカのアフガニスタン侵攻(対テロ戦争)2003年~2011年 イラク戦争
これはもうほとんど趣味か依存症の領域だろう。
人類はほんとうに戦うのが好きだ。
本書のタイトルに対する池上の答えは、「人間は過去から(歴史から)学ばないから」というものである。
ソルティならもっと直截に「人間はアホだから」と言う。
ソルティならもっと直截に「人間はアホだから」と言う。
おそらく人類が過去をどれほどしっかり学んでも、戦争はなくならないだろう。
各民族・各国民・各信者は、自分たちが聞きたい過去しか耳に入らないし、欲する歴史しか学ぼうとしない。アイデンティティが絡んでいるのだから。
過去をいろいろな角度から客観的に学び反省できる奇特な人でも、現在の怒りや欲望に打ち勝つのは難しい。
戦争がなくならないのは、ずばり人間が「欲・怒り・無知」から逃れられないからである。
世界的ベストセラーとなった『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福』の中で著者のユヴァル・ノア・ハラリは、人間が他の動物とは異なる道を歩むことになった決定的なきっかけとして「認知革命」という概念を上げている。
国家、宗教、民族、金、歴史、自我・・・・e.t.c. 現実にはないものを“さも実在するかのように”信じ込んで取り扱えるようになった「認知革命」こそが、人間が戦争をやめられなくなった最大の要因であろう。
国家、宗教、民族、金、歴史、自我・・・・e.t.c. 現実にはないものを“さも実在するかのように”信じ込んで取り扱えるようになった「認知革命」こそが、人間が戦争をやめられなくなった最大の要因であろう。
認知革命を遂げたことにより、人間は湧きおこった欲や怒りを動物のように一瞬にして完結するという芸当ができなくなった。
自分をより大きな力強い(と思える)ものに仮託するクセがついた。
集団で欲や怒りを引きずるようになってしまった。
自分をより大きな力強い(と思える)ものに仮託するクセがついた。
集団で欲や怒りを引きずるようになってしまった。
ホモ・サピエンスはそのように造られている。
結論として、戦争を無くすためには人間が人間であることを止めなければならない。