2017年アメリカ
108分

 原題は The Current War (電流戦争)
 1880年代後半アメリカで起きた電力供給事業における「直流 v.s. 交流」の覇権をめぐる争いを描いている。
 直流側に与するのが発明王トーマス・エジソン一派、対する交流側はエジソンのもとで一時働いていたこともあるニコラ・テスラと実業家ジョージ・ウェスティングハウスである。
 最終的には、より安く、より遠くまで電気を送ることのできる交流システムが勝利するのであるが、本作では自分の敗北を認めたくないエジソンによる卑劣で陰険な妨害工作の数々が暴き出されている。
 どうもエジソンは天才なのは間違いないけれど、人間的にはいけ好かない男だったようだ。

 エジソンを演じるは『SHERLOCK(シャーロック)』、『裏切りのサーカス』、『それでも夜は明ける』のベネディクト・カンバーバッチ。
 対するウェスティングハウスを演じるは、『テイク・シェルター』、『シェイプ・オブ・ウォーター』のマイケル・シャノン。
 どちらもベテランらしい安定した演技で、気負うことなく実在した人物に扮している。
 エジソンの性格付けが今一つはっきりしないが、これは役者の演技というより脚本の甘さによるものだろう。

 ニコラ・テスラを演じているのは、よく似た名前のニコラス・ホルトという美形のイギリス俳優。
 ノーブルで神経質で世間知らずでお洒落なニコラ。
 デビッド・ボウイ演じる二コラといい勝負だ。 
 そう、交流戦争の主役はおそらく、この映画に描かれているとおりエジソンとウェスティングハウスであって、ニコラではなかったのだろう。
 ニコラ・テスラという人は、どこか浮世離れしたところがあって、ビジネスや政治や利権争いのような実際面には疎かったのではないかと思われる。
 晩年はホテル住まいだったが、近くの公園のハトに餌を上げるのが最大の楽しみだったという。
 あくまでハト派なのだ。

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ニコラス・ホルト扮するニコラ・テスラ


おすすめ度 :★★

★★★★★ 
もう最高! 読まなきゃ損、観なきゃ損、聴かなきゃ損
★★★★  面白い! お見事! 一食抜いても
★★★   読んでよかった、観てよかった、聴いてよかった
★★    いい退屈しのぎになった
     読み損、観て損、聴き損