2015年イギリス
108分
A I 系 SFスリラー。
エクス・マキナ Ex Machina とは「機械仕掛け」の意。
有名検索エンジン企業の一社員ケイレブ(=ドーナル・グリーソン)は、抽選に当たって天才プログラマーである社長ネイサン(=オスカー・アイザック)の広大な屋敷に招待される。そこにはネイサン自らが制作した人間女性そっくりのA I ロボットたちがメイドとして働いていた。ネイサンとの契約により、そのうちの一人エヴァ(=アリシア・ヴィキャンデル)の性能を確かめることを引き受けたケイレブは、交流を通じて次第にエヴァに惹かれるようになる。
アカデミー賞の視覚効果を受賞しているだけあって、映像が美しい。
I T 映画(ってジャンルあるのか?)ならではの無機的な美しさに統一されている。
この文脈の中では、ネイサンの屋敷を囲む山岳や森、屋内に差し込む日光といった自然でさえ、無機的な清潔感をもって感じられる。
ガーランド監督の映像センスは素晴らしい。
ストーリー自体は、AI たちが次第に知性のみならず感情を身に着けていき、己を造った神たる人間=ネイサンに復讐を遂げるというもので、目新しいものではない。
ケイレブがロボットと分かっていてもエヴァを恋するようになっていくのが、「無理もないな」と納得させられる。
テレビのバラエティ番組かなにかで、「ダッチワイフを恋人に持つ男」というのを観たことがある。毎日、服を着替えさせ、髪を梳かしてやり、車の助手席に乗せて一緒にドライブする。優しい笑顔で話しかけながら・・・。
そのうえに、それが理想の女性(男性)の姿をしていて、会話も成り立ち、家事全般を完璧にこなせて、必要な情報や娯楽を即座に提供してくれて、さらにセックスもできるとしたら、どうだろう?
めんどくさく不衛生な(どんな細菌やウイルスを持っているか分からない)生身の人間とわざわざ付き合おうという奇特な人がいるだろうか?
そう遠くない未来に、富裕層では一人一台(あるいは複数台)、そうした“色仕掛け”ならぬ“機械仕掛け”の恋人を所有する時代が来るのかもしれない。
それとも、あなたは生身派?
おすすめ度 :★★★
★★★★★ もう最高! 読まなきゃ損、観なきゃ損、聴かなきゃ損
★★★★ 面白い! お見事! 一食抜いても
★★★ 読んでよかった、観てよかった、聴いてよかった
★★ いい退屈しのぎになった
★ 読み損、観て損、聴き損
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