2020年アイルランド、デンマーク、ベルギー
98分

 なんとも不気味な感触のファミリーホラーSF。

 新居を探す今どきの新婚カップルが不動産屋に連れていかれたのは、同じ格好のこぎれいな緑色の家が立ち並ぶ広大な建売住宅地。
 NO.9と扉に書かれた家を案内された二人がふと気づくと、不動産屋は姿をくらましていた。
 二人は帰ろうとして車を走らせるが、いくら走っても住宅地から抜けられない。
 精魂尽き果てた二人の前に、段ボールの箱が現れ、中には可愛い赤ん坊が入っていた。 

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 これまでホラー映画やSF映画を数多く観てきたソルティにさえ先の読めない展開で、好奇心とサスペンスとで最後まで持っていかれた。
 幾何学的な住宅地や同じ形をした雲が浮かぶシュールな光景には、観る者の無意識を掻き乱すような悪夢に似た美しさがある。
 フィネガン監督のセンスの良さが光っている。

 アイデアの独創性は間違いないところであるが、『不思議の国のアリス』、『砂の女』、『未来世紀ブラジル』、『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』、なにより『竹取物語』を想起した。
 かぐや姫は、竹取の翁と姶にカッコウの雛のごと托卵されたのであるから。

 「ビバリウム」とは、動物を観察または研究するため、またはペットとして飼うため、準自然環境下を保つように作られた囲い、容器、または構造物のことである。



おすすめ度 :★★

★★★★★
 もう最高! 読まなきゃ損、観なきゃ損、聴かなきゃ損
★★★★  面白い! お見事! 一食抜いても
★★★   読んでよかった、観てよかった、聴いてよかった
★★    いい退屈しのぎになった
     読み損、観て損、聴き損