2019年
ころから発行

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 少し前の記事で、加藤康男著『関東大震災「朝鮮人虐殺」はなかった!』を取り上げて、自分なりに書かれている内容を検証し、著者の説く「虐殺否定説」がまったくのナンセンスであることを証明したけれど、ソルティがやるまでもなかった。
 
 『九月、東京の路上で』の著者・加藤直樹による徹底的な検証と反論が本書でなされていた。
 ソルティが目を付けた「関東大震災時の朝鮮人の被害者数に関する論理のほころび」もしっかりと記述してある。
 まあ、普通に読んで、まともに考えれば、中学生でも気づくようなへんてこりんな論理ではあった。

 ほかにも、加藤康男の著書のおかしな点が、具体的に証拠を上げて明確に述べられている。
 読者を馬鹿にするこすっからい手口の数々が、快刀乱麻、白日のもとに晒されている。
 これはもう勝負あった、というところだろう。

 二つの書を続けて読んで、まだ「朝鮮人虐殺はなかった」と主張する人がいるとしたら、その人は知性や理性や正義とは訣別した、ある種の“信者”というほかない。
 何を信仰するかはその人の自由だが、事実を歪めて世間に吹聴するのは迷惑千万。
 子供たちにも悪影響を及ぼす。
 自分が「〽わたしはやってない」教の信者だということを自覚してほしいところである。

なにかオウム

おすすめ度 :★★★★

★★★★★ 
もう最高! 読まなきゃ損、観なきゃ損、聴かなきゃ損
★★★★  面白い! お見事! 一食抜いても
★★★   読んでよかった、観てよかった、聴いてよかった
★★    いい退屈しのぎになった
     読み損、観て損、聴き損