2020年チェコ
104分

 12歳の少女に扮装した3人の女優にSNS上で友人募集させ、彼女たちにコンタクトしてきた男たちとのやりとりを映したドキュメンタリーである。
 10日間で2500人を超える男からのアクセスがあったというから驚く。

 撮影されているのを知らない男たち(画像処理されて個人が特定できないようにされている)は、相手が“12歳の少女”と知りながら、卑猥な問いを投げかけ、服を脱いで胸を見せろと要求し、変態画像を勝手に送り付け、ズボンを下ろし勃起したペニスを見せ、その場でシコってみせる。少女が男の要求に応じて裸の写真(偽造したもの)を送ると、それをネットに流すと脅かし、さらなる要求を仕掛けてくる。
 アクセスしてきた男の中には撮影クルーが個人的に知っている人物もいて、その男の職業は子供たちのキャンプの世話人だという。
 ぞっとする話である。


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 インターネットはある意味、人間の心の暗部の投影だと思うが、SNSはとくに怒りや欲望を焚きつけ、とめどなく膨らましていく作用がある。
 年端の行かない少年少女が、好奇心や退屈や淋しさからSNSを始めて、飢えを高じている捕食者の手につかまって、取り返しのつかない事態に追い込まれていく。
 自分がいま、12歳の子供を持つ親だったら、「絶対子供にSNSはさせない」と思うけれど、親自体がすでにSNS世代でそれを当たり前として生きていたら、子供に禁止するのはなかなか難しいことだろう。
 子どもを持つ若い親たちに観ておいてほしい映画である。 

 それにしても、迂闊なのは危険を知らない子供たちばかりではない。
 少女たちにアクセスしてくる男たちも、録音録画される可能性だって十分あると予測がつきながら、PCモニターに平気で顔をさらし、声をさらし、ペニスをさらし、恥をさらし、自らの罪の確たる証拠を残していくわけである。
 いったんバレれば、職を失い、家族を失い、収入を失い、社会的な地位を失い、身の破滅になり得る可能性大なのに・・・。
 性欲ってのは、ほんとに人の脳みそを破壊してしまう。
 



おすすめ度 :★★★

★★★★★
 もう最高! 読まなきゃ損、観なきゃ損、聴かなきゃ損
★★★★  面白い! お見事! 一食抜いても
★★★   読んでよかった、観てよかった、聴いてよかった
★★    いい退屈しのぎになった
     読み損、観て損、聴き損