1971年松竹
103分

 四国遍路を舞台とする『旅の重さ』(1972)でも示されたが、斎藤監督は野外ロケが上手い。
 本作でも、松山、尾道、鞆の浦(仙酔島)、倉敷、蓬莱峡(兵庫)、水上温泉(群馬)と、各地の美しい観光名所を背景に、美しい女と若い男との愛の不倫道中が描かれる。
 映像の艶やかさは旅情と懐旧の情を掻き立てるに十分。
 70年代初頭の日本はかくも美しかった。
 
 松本清張原作であり崖から落とされた女性の遺体発見シーンから始まるので、一応ミステリーだとは思うが、原作はともかく(ソルティ未読)映画に限って言えば、推理小説的な楽しみはほぼない。
 裕福な妻を持ちエリート街道まっしぐらの男(中尾彬)と、資産ある年上の不能の男(三國連太郎)を夫に持つ女(岩下志麻)との数年にわたる“愛欲からの愛憎”物語である。
 中尾と岩下の、あるいは三國と岩下の濃厚なラブシーンが随所に差し込まれ、そのたび感度抜群のあえぎ声を上げる志麻サマの役者魂に感心する。
 ウィキによれば、三國は芝居の勢いにまかせて志麻サマの秘所に2回触れたとか。
 あの男ならやりかねん(笑)
 
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志麻サマと中尾彬
志麻サマは着物も洋装も美しい!

「男と女、加害者と被害者が、絶崖の上で組んずほぐれつ」という2時間ドラマ定番シーンの末に、志麻サマ演じる 女は自ら足を滑らせた。つまり、殺人事件ではなく事故死だったという真相。
 そう、志麻サマは人を殺す役は似合っても、殺される役は似合わない。

 不倫は高くつくというお話。



おすすめ度 :★★★

★★★★★ 
もう最高! 読まなきゃ損、観なきゃ損、聴かなきゃ損
★★★★  面白い! お見事! 一食抜いても
★★★   読んでよかった、観てよかった、聴いてよかった
★★    いい退屈しのぎになった
     読み損、観て損、聴き損