2020年(株)KADOKAWA

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 作者によると、怪奇酒とは「この世のモノではない異形のモノが出没する可能性のある非日常的空間で、感情を揺さぶらせながら飲酒する行為」を言う。
 もちろん作者の造語である。

 霊能力皆無の清野が、友人知人から直接聞いた怪談の現場に足を運び、恐がりながら酒を飲むという一話完結エッセイ漫画。
 取り上げられる7つの怪談、7つの現場は場所が特定されないよう「東京都M区A町」といったふうに匿名化されているけれど、「近くに米軍基地がある」とか「都内有数の霊園がある」とか「昔罪人を八つ裂きにした刑場があった」といった周辺情報から、「おそらくここだな」と推測できる場所もある。

 初めて訪れた町の深夜の公園で大仏を目撃した話(実際には大仏は存在しない)とか、お笑い芸人チャンス大城が住んでいた霊穴(あの世とこの世をつなぐ穴)のあるアパートの話とか、巨大霊園そばの寂しい路地に男の生首を見て失禁した話とか、焼身自殺のあった部屋に住む夫婦の話(事故物件情報サイト「大島てる」ってのをはじめて知った。実を言えばこのサイトが一番怖かった)とか、いずれも面白かった。
 メリハリある線とベタ使い、読みやすいコマ割り、圧を感じさせるほどの臨場感、ギャクのタッチなど、清野の作風はかつての小林よしのりを思わせる。
 1980年生まれ。2008年に『ウヒョッ! 東京都北区赤羽』でブレイクした人らしいが、読むのははじめて。他の作品も読んでみたくなった。

 ウィキで知ったが、2019年に壇蜜と結婚した人だった。
 霊能はないと言うが、「ツいている男」にはちがいない。




おすすめ度 :★★★

★★★★★ 
もう最高! 読まなきゃ損、観なきゃ損、聴かなきゃ損
★★★★  面白い! お見事! 一食抜いても
★★★   読んでよかった、観てよかった、聴いてよかった
★★    いい退屈しのぎになった
     読み損、観て損、聴き損