秩父に行くたびに必ず参詣するのは、秩父神社と札所16番・西光寺である。
秩父34観音札所には、弘法大師が創設したと言われる四国88巡礼札所とは違って、真言宗のお寺は少ない。
真言宗は34札所のうち、16番西光寺、21番観音寺、22番童子堂の3つである。
残りの19ヵ所は曹洞宗、12ヵ所は臨済宗、つまり禅寺が多いのである。
四国歩き遍路をしたソルティは、当然、弘法大師と同行二人の人生と思っているので、真言宗のお寺には愛着が湧く。
16番西光寺は、JR秩父駅から徒歩15分、秩父公園橋(荒川)から徒歩5分のアクセスのよい街中にあり、近くに秩父最大のショッピングセンターたる「Bercベルク」もあるので、毎日のように参拝することになる。
また、宗派云々は別としても、ここのお寺は明るく、季節の花や緑が多く、長閑な雰囲気に包まれ、いつ行っても気持ちが安らぐ。
すっかり人慣れしている猫たちが境内のベンチや段ボール箱の中でごろ寝しているところも、癒しポイント高い。
もちろん、境内には真言宗のお寺にはお約束の、笠をかぶり錫杖を付いた弘法大師さまの像が立っている。
しかし、ここ16番には別に、驚きのお大師様がいる。
裏手の駐車場になんと化粧したお大師様――ソルティ命名“お女装大師(おじょそだいし)”――がお立ち遊ばれているのである!
そのお隣には、石の涅槃像すなわち今まさに入滅されたばかりのお釈迦様が横たわっておられる。
空海と涅槃像――この組み合わせは、高知県の室戸岬を想起させる。
さらに、16番の境内には四国88ヶ所の本尊が祀られた回廊がある。
四国に行かずとも、この回廊を巡って一つ一つの本尊に経を捧げれば、四国遍路したのと同等のご利益が期待できる!――というわけだ。
ソルティは、この回廊を巡りながら、1番から順番にお寺の名前を口にして記憶を新たにし、自作の御詠歌を読み上げる。
遍路したときのいろいろな思い出がよみがえる。

四国88霊場回廊
今回も16番に足を運び参拝し、回廊巡りしていたら、こんなものを見つけた。
空海の生誕から、亡くなったあと醍醐天皇より「弘法大師」という称号をもらうまでの一生を、すごろく仕立てにしたものである。
大学入学(1 8歳)、唐に行こう(31歳)、大きな池をなおす(48歳)、真言宗の確立、みんなの学校をつくる(55歳)など、主要な出来事が刻まれている。
早く上がることが目的ではなく、途中途中でもらったり返したりする“散華(蓮の花びらを模した色紙)”を最終的にたくさん集めた人が勝ちとなる。
大人も子供も遊びながらお大師様のことを学べるツールというわけだ。
逆に言えば、すごろくが作れるくらいに弘法大師の生涯は波乱万丈で豊かで面白いものなのだ。
上記のような大きな転機以外にも、「字が上手(三筆と讃えられた)」とか「いろは歌を作った」とか「祈祷で雨を降らせた」とか「中国からうどんを持ち帰った(讃岐うどんの由来)」とか、まさに天才の名に恥じないエピソードばかり。
ちなみに、62歳で亡くなられた時のコマの文言は、「人々と共に生き続ける」である。
そう、真言宗ではお大師様は“亡くなった”のではなく、高野山奥之院にて“入定”し、弥勒菩薩の出現の時まで衆生救済を願って瞑想修行しているのである。
ご無沙汰してます。
浅川のほとりの梅林はいまが盛りでしょうか?
高尾の春がなつかしい。
都心より一足遅れて咲く大月あたりの桜もきれいなんですよね~
思えば、ソルティは高校生の頃から寺社仏閣めぐりが好きというジジむさい少年でした。
四国遍路してからは、なんだかお寺のほうがソルティを呼んでいる気がして、街中でお寺を見かけるとつい入って行ってしまいます。
今はとくにウクライナ情勢で「祈ることしかできない」という思いが強い。
いや、祈りや瞑想、一人一人の心の平和は何にも増して強力な世界平和の武器だと信じています。
プーチンにも悟りの光があらわれますように。
ソルティはかた
が
しました