1955年日活
110分、モノクロ
「愛のお荷物」とは赤ちゃんのことであった。
戦後ベビーブーマー時代を背景に、ある大臣一家に起こる恋と受胎の騒動を軽妙なタッチで描くコメディ。
人口過剰問題の対策を先頭に立ってはかるべき新木厚生大臣の家庭において、本人夫婦はじめご子息・ご令嬢3人に同時に子供が授かってしまう・・・・。
人口減少、少子高齢化が問題となっている現在から見れば、なんとうらやましい(お盛んな)時代であったことか。
新木大臣を演じる山村聡はじめ、轟夕起子、三橋達也、北原三枝(石原裕次郎夫人)、山田五十鈴、東野英治郎、フランキー堺、菅井きんなど、役者の顔触れが多彩で楽しい。
三橋達也はこれまで注目したことがなかったが、喜劇がうまい。身のこなしもスマートで色気がある。
山田五十鈴は押しも押されもせぬ名女優だが、喜劇だけは向かないと思う。存在が重すぎるのだ。
同じベテラン名優でも東野英治郎あるいは杉村春子が喜劇もこなせるのとは対照的。
導入部のナレーションをしている加藤武もうまい。
個人的には脚本がもう少し遊んでも(はちゃめちゃしても)いいのではと思ったが、肩の凝らないセンスの良いコメディには違いない。
おすすめ度 :★★★
★★★★★ もう最高! 読まなきゃ損、観なきゃ損、聴かなきゃ損
★★★★ 面白い! お見事! 一食抜いても
★★★ 読んでよかった、観てよかった、聴いてよかった
★★ いい退屈しのぎになった
★ 読み損、観て損、聴き損