とうとう武甲山に登った!
 秩父札所巡りや秩父リトリートの間、ずっと山麓から仰いできた雄大なる秩父のシンボルに、石灰岩採掘のために削りまくられ無残な姿を晒している甚大なる自然破壊のシンボルに、ついに足を運んだ。

 1000m以上の山に登ったのは実に3年ぶり。
 2019年5月の丹沢の鍋割山(1272m)以来であった。
 2019年12月の左足かかと骨折の後遺症で長く歩けなくなったため、平地や低い山のウォーキング・リハビリを続けてきたが、これで文字通り一つの山を越えた。

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武甲山北面
南面は自然が残っているというが、はたして・・・・

● 登山日 2022年5月28日(土)  
● 天気 晴れ
● 行程
09:30 西武秩父線・横瀬駅よりタクシー乗車
09:45 一の鳥居
    歩行開始
10:25 不動の滝(休憩10分)
11:10 大杉の広場(休憩10分)
12:10 武甲山御嶽神社
12:20 山頂
    昼食休憩(60分)
13:20 下山開始
14:00 長者屋敷ノ頭(休憩20分)
15:30 林道出合
16:10 秩父札所28番橋立堂(休憩20分)
16:45 秩父鉄道・浦山口駅
    歩行終了
● 最大標高  1304m
● 標高差   登り787m、下り1062m
● 所要時間  7時間(歩行5時間+休憩2時間) 

Yokoze-sta
西武秩父線・横瀬駅
ここから一の鳥居までタクシーで12分(2220円)
駅から歩くと2時間かかる

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一の鳥居
武甲山は山頂に御嶽神社をもつ神の山である

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30台入る駐車場はすでに満杯
鳥居横の山道に30~40台が縦列駐車していた
この山の人気ぶりがうかがえる

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丁目石
このような石が一丁(109m)毎に52丁目まで置かれている。
あとどれくらいあるか分かるので励みとなる。
一の鳥居が1丁目。

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不動の滝
毎日この水を汲みに来る人もいるとか。
もちろんソルティもマグカップに満たした。

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山道がそのまま参道であるためか
渓流(生川・うぶがわ)が伴走しているためか
清新な気が満ちていた

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広葉樹から針葉樹へ。たしかに南面の自然はかろうじて保たれている。

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立ち枯れた木の洞に何かが・・・

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かわいいお地蔵さんでした(31丁目)

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大杉の広場
ちょうど1000m地点。山頂まであと50分。
結構汗を絞られる。

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大杉

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ゴジラ? タツノオトシゴ?
倒木の根っこ

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反対から見る
ジョーズ? 象が「パオーン」?

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浮き上がっている根っこが多いのは岩盤が硬いせいか

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石灰岩がゴロゴロ
歩きづらいったらない!

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武甲山御嶽神社に到着!
由緒書きによれば、第12代景行天皇の御代(約1900年前)
日本武尊(ヤマトタケルノミコト)ご東征の折、
山頂に甲(かぶと)を埋めて関東の鎮護としたのが起源。

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鳥居下に52丁目石発見
1丁(109m)×51=5,559m 歩いたことになる。
隣の石碑の「武蔵国神社」は別称。

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拝殿
祭神は日本武尊(ヤマトタケルノミコト)
少彦名命(スクナビコナノミコト)
大山祓命(オオヤマヅミノミコト)ほか

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山頂(1304m)はそれほど広くない

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1900年(明治33年)の測量では標高は1,336メートルだったという。
採掘のため破壊されて、低くなってしまった。

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ワオー!!

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画像をアップ
慣れ親しんだ秩父の街がジオラマのように見える。
左中ほど、巨大な秩父公園橋が竹ひご細工のよう。
中央、住宅地の中の島のような森が秩父神社。

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さらにアップ
あの橋の上に立って、今いるこの場所をいかに遥かに感じたことか!

秩父公園橋から見た武甲山
秩父公園橋から望む武甲山(他日)

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横瀬町方面

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横瀬町にある
三菱マテリアル横瀬工場

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小鹿野町方面
うっすらと浅間山が覗いている

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御嶽神社前の広場で昼食
マスクをはずしたハイカーで賑わっていた。と、
ズバーン!
岩盤を破壊する発破の音が山中に響いた。

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下山開始まもなく、木々の間より両神山出現!
次は貴殿が目標です。

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下山路は最初のうちこそなだらかであったが、
石と木の根っこばかりの急斜面に転じ、
非常に足首と膝にこたえた(途中からサポーター装着)。

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長者屋敷ノ頭
こんな山中に長者屋敷があったとは思えない。
どういった由来なのだろう?

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橋立川の沢音が聴こえれば、山道の終わりは近い。

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渓流のある山って良いなあ、特に夏場は。

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林道の途中に見かけた滝
画像には映らないが虹がかかっていた

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秩父札所28番橋立堂横の茶店
ソフトクリームを食べた

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石灰岩の岸壁(高さ75m)
中が鍾乳洞になっている

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橋立堂
生きとし生けるものが幸わせでありますように。

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秩父鉄道・浦山口駅に到着
秩父鉄道も今春やっとSUICAを導入した。
切符を購入している間に列車が行ってしまう悲劇(喜劇?)とおさらばだ。

西武秩父駅
「秩父祭りの湯」で汗を流して、西武鉄道で帰宅

 
 7時間の道中、踵や膝の痛みで足を引きずることはなかった。
 進歩である。
 だが、温泉で温めたとたんに痛みが強くなり、そこからはびっこになった。
 一夜明けた今もまだ、普通にまっすぐ歩くことができない。(筋肉痛もあるが)
 足を酷使したあとは温めずに冷やしたほうがいいと分かっているのだが、やっぱり登山後の温泉(と生ビール)は欠かせないのである。

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 武甲山は思ったよりずっと美しく、清新な気が漂う気持ちのいい山であった。
 それというのも、登山道からは北面の採掘現場が一切目に入らないようになっているからである。
 きれいな部分だけ見させてもらった。

 いったいいつまで採掘を続けるつもりなのだろう?