ここ最近、やけにザ・ピーナッツが聴きたくてCDを探していたら、近くのホームセンターのレジ横のワゴンで見つけた。
 キング・レコード発売の『ザ・ピーナッツ~恋のバカンス』1500円。 

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 ザ・ピーナッツはソルティの最も初期の記憶に刻まれている歌手の一人(二人)である。
 日本テレビ系の人気歌謡番組『シャボン玉ホリデー』の司会を1961年6月4日から1972年10月1日まで務めていたので、ぎりぎり小学校低学年に間に合った。
 同番組に出ていた歌手で他に覚えているのは、「森とんかつ、泉にんにく、かーこんにゃく、まれてんぷら」の替え歌で覚えた『ブルー・シャトウ』のブルーコメッツくらい。
 子供心に、姿かたちも声も仕草もそっくりの美人(一卵性双生児だもの)が、大人っぽいエレガントな衣装を身にまとい、抜群のハーモニーで歌って踊っていたのが印象的であった。
 むろん、東宝映画『モスラ』(1961年)、『モスラ対ゴジラ』(1964年)、『三大怪獣 地球最大の決戦』(1964年)などのテレビ放映を夢中で観ていたので、二人の存在は知っていたのだが、インファント島の妖精のごとく可愛らしくはかなげな小美人と、『シャボン玉ホリデー』のムーディーで色気ふりまく二人が、幼きソルティの中ではなかなか結びつかなかった。

ザ・ピーナッツ
映画『モスラ』シリーズの小美人
モスラーヤッ モスラ―

 一番の魅力は何と言ってもハーモニー。
 女性のデュオで、ここまで美しく、音程も確かで、リズム感抜群な歌手は、世界中探してもそうそう見当たらないのではないかと思う。
 名曲『白い色は恋人の色』のベッツィ& クリスも、同じ一卵性双生児であったザ・リリーズも、国民的モンスターとなったピンクレディーも、あみんも、Winkも、パフィーも、Kiroro.も、阿佐ヶ谷姉妹も、歌手としての実力では到底ザ・ピーナッツの域にまでは達しなかった。
 唯一肩を並べられるのは、安田祥子&由紀さおり姉妹とスウェーデンの生んだ世界的歌手ABBAくらいではなかろうか。(こまどり姉妹については残念ながらコメントできる立場にない。また、デビュー間もない松田聖子と河合奈保子が、NHKの歌番組でザ・ピーナッツの歌曲『可愛い花』『ふりむかないで』をデュエットしている動画がある。これはこれでなかなか見事で魅力的なコンビである)

 昔の歌は良かったなあ。
 ――と言うようになったら、ジジイの仲間入りか。
 が、ザ・ピーナッツの歌声には時代を超えた魅力がある。