2018年の秩父34観音札所巡礼の際の心残りは、32番法性寺の奥の院に登った時、曇っていたことであった。
 晴れていたら、周囲を山と森に囲まれた目くるめくような岩山の頂きから、どんな景色が見えるのだろうと思った。
 また、小鹿野名物「ようばけ」も遍路道沿いに遠くから拝むだけで、通り過ぎてしまった。
 そこで今回は、32番札所から33番札所までの約8kmをリ・トレースしてみた。
 30度を超える炎天下であったが、里山の花々に力をもらい、ラストに待つ温泉&ビールを励みに、歩き通した。

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西武秩父駅のバスステーション

● 歩行日 2022年7月18日(月・祝)  
● 天気 晴れ
● 行程
10:20 西武秩父駅より小鹿野町営バス乗車(両神温泉・薬師の湯行)
10:50 長若中学校前下車
    歩行開始
11:20 秩父札所32番・般若山法性寺
    本堂~観音堂~奥の院(大日如来、お船観音)388m
13:10 出発
13:50 日本武(ヤマトタケル)神社
15:00 ようばけ
15:40 秩父札所33番・延命山菊水寺
16:10 星音の湯
    歩行終了
● 最大標高  338m
● 所要時間  5時間20分(歩行4時間10分+休憩1時間10分)

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長若中学校前バス停(ここまで500円)
秩父市街からヘアピンカーブ続きの峠を越えて小鹿野町へ至る
バス停から寺まで30分の歩き

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陽射しは強くとも里山歩きは気持ちよい

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木槿(ムクゲ)

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春車菊(シュンジャギク)とモンシロチョウ

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姫小百合(ヒメサユリ)

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おお、武甲山!
あの河岸段丘の向こうが秩父市街

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秩父札所32番・般若山法性寺(曹洞宗)
山門の2階に梵鐘がある

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生きとし生ける者の幸福を願いつつ、撞かせていただきました
(鐘は参拝の前に撞くのがしきたり)

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山門からは急な石段を上る
本堂を経て、観音堂
1707年(宝永4年)建立

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ここまで来ると深山幽谷の気配漂う

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奥の院への入口
藪と岩の山道を20分ほど登る
生半可な気持ちでは危ない

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平面に見えるが、かなりの傾斜
横に渡した鎖につまからずには登れない

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ほぼ垂直の岩場
てっぺんの岩穴に大日如来がおられます

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おお、如来さまが見えた!
最後のひと登り

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岩のてっぺんから下を見る
この鉄柵をつけた人、本当にえらい!

秩父巡礼4~5日 117
大日如来
ここで10分ほど瞑想する
(やはり高所は落ち着かない)

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大日如来が見ている景色(右手方向)
バス停からの道が見える

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大日如来が見ている景色(正面)
一寸先は奈落

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奈落
苔が生えているのがいっそうスリリング

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全長200mの巨岩の先にお船観音がおはします
雨の日、雪の日、風の強い日は絶対歩けない

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反対側から見る

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お船観音

秩父巡礼4~5日 122
岩の舳先側から
これが自分の限界

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お船観音が見ている景色
なんと、武甲山が見えるじゃありませんか

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来た道を戻る

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このあたりは昔日の風情を残し、秩父巡礼路でもっとも美しい

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ノウゼンカズラ

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タマスダレ(だと思うんだが)

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この花の名前がなかなか出てこなかった
四文字で「シ」がつくまでは思い出せたのだが・・・
(答えは記事の最後※に)

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日本武(ヤマトタケル)神社
古事記』の英雄ヤマトタケルが当地に来たことを由来とする
武甲山三峰神社のついでに寄ったのか・・・

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秩父はワインの産地でもある

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道に迷ったときに見つけるとありがたい

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こんな道、通ったっけ?
記憶のあやふやさに戸惑う

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日照りによる不作が心配だったが、ここ数日の雨で持ち直したよう

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小鹿野名物「ようばけ」現る!

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ようばけとは「陽の当たるがけ」の意
新世代新第三期の地層が赤平川によって浸食されてできた
国指定の天然記念物になっている

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崖の直下まで近寄ることができる

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地層からは、鯨・鮫・パレオパラドキシア・海亀などの化石が見つかる

パレオパラドキシア復元模型
パレオパラドキシア(復元模型)
(埼玉県立自然の博物館ホームページより)

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赤平川

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33番札所に向かう
タオルも下着も汗でぐっちょり、足も重い
ほとほと苦行僧のような自分

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秩父札所33番・延命山菊水寺(曹洞宗)

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入母屋造りの本堂
庭に「菊水の井」という井戸があったことからその名が付いた

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菊水紋
菊水の紋
楠木正成は後醍醐天皇より菊の紋を下賜され
それに流れる水をデザインした

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禅寺らしい簡素で落ち着いたしつらいに自然の美が映える

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この花の名前を僕はまだ知らない

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星音の湯に到着

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GOAL!!
一日のすべての苦労が報われて余りある瞬間


※花の名前の答え:ハシドイ――という名前の喫茶店に行ったことがあった!