久しぶりにデモに行った。
コロナ世になってからはじめてである。
感染力の高いオミクロンが爆発している中、都心に行って人混みに雑じるのは避けたいところだけれど、このデモばかりは行かなくては、と思った。
4回目のワクチンは打った。
マスクをして、その上から眼鏡タイプのフェイスシールドをして、人と喋らないようにしよう。
人の密集していないところで静かにデモに参加しよう。
そう考えて、18時に国会議事堂に足を運んだ。
さすがに8月も終わり。
日中こそ残暑厳しかったが、夕刻になると都心にも涼しい風が吹き、暑くもなく寒くもなく、外の集会にはおあつらえ向きであった。
日中こそ残暑厳しかったが、夕刻になると都心にも涼しい風が吹き、暑くもなく寒くもなく、外の集会にはおあつらえ向きであった。
あちこちからやって来た個人や団体で議事堂前の並木道はまたたく間に埋まった。
主催者発表によると4000人の参加。
パッと見、50代以上がほとんどのようだった。
反原発デモの時はもっと若い世代が多かった。
やはり桜田淳子を知っている世代と知らない世代とでは旧・統一協会に対するイメージが違うのだろうか。
やはり桜田淳子を知っている世代と知らない世代とでは旧・統一協会に対するイメージが違うのだろうか。
考えてみれば、今の20代――下手すると30代も――は95年にあったオウム真理教事件すら記憶にないわけで、宗教カルトの怖ろしさがピンとこないのかもしれない。
もっとも今日は平日。休日ならばもっと若い世代や家族連れの参加もあるかもしれない。
もっとも今日は平日。休日ならばもっと若い世代や家族連れの参加もあるかもしれない。
参加者の士気を高めるちょっとしたギターコンサートのあとに、集会は始まった。
- シュプレヒコール・・・「国葬反対」「モリカケサクラを忘れるな」「歴史の改竄、許さない」「統一協会、癒着を許すな」等々
- 日本共産党・小池晃のスピーチ
- 社民党・福島みずほのスピーチ
- 立憲民主党・阿部知子のスピーチ
- NPO法人「mネット 民法改正情報ネットワーク」スタッフのスピーチ
- NPO法人「アジア女性資料センター」スタッフのスピーチ
- 上智大学の政治学者・中野晃一のスピーチ
小池、福島両氏のスピ―チはさすがに上手かった。簡潔にして迫力がある。
二つのNPO法人が訴えたのは奇しくも同じテーマで、ずばり「ジェンダーとセクシュアリティ」。
選択的夫婦別姓制度、同性婚法制化、学校における性教育・・・・これらの政策が、旧・統一協会の教義と結びつくような形で自民党とりわけ安倍派によって否定され、推進を阻まれてきた経緯が語られた。
そうなのだ。旧・統一協会の自民党への浸透が深まるほどに、性教育バッシングは強くなった。
当時HIV関連のNPOで働いていて、学校にエイズ教育の講師として行くことの多かったソルティは、それを肌で感じていた。
小学校でエイズの話をするとき、「エイズは輸血や母子感染によってうつります」以外の感染経路の話はしてくれるな、というところが多かった。
アジア女性資料センターのスピーチで傾聴すべきは、「たとえ旧・統一協会の影響がなかったとしても、これらの政策を日本で推進するのは難しい。それは、我が国にはいまだに男性上位の異性愛者中心社会という枠が根強くあるからで、ジェンダーやセクシュアリティについての認識が大きく変貌しようとしている現在、保守層をはじめ不安を感じている人が多くいる」との発言。
デモに参加していた男たちは神妙に聞いていた様子。
中には「国葬の是非とは関係ないじゃないか」と思った人もいたかもしれない。
配布されていたポスター
こうした左派のデモにおいて、様々な反権力的活動をしている団体が「ここぞとばかり」にそれぞれの活動情報や近々開催するイベントのチラシを参加者に配布するのは、いつものことである。(クラシックコンサートの入場時を想起する)
ソルティも有楽町線・永田町駅から国会議事堂前に行くまでの数百メートルで、20枚以上のチラシを渡されるがままに受け取った。
沖縄問題、ウクライナ問題、憲法9条問題、「日の丸・君が代」問題、講演会『江戸から見た人権』チラシ(講師は『カムイ外伝講義』の田中優子氏)、福島原発による放射線被害の問題、革マル派(まだやってる!)のアジビラ・・・・等々。
面白かったのは、「レイバーネット日本川柳班」という団体が配布していた「世直し川柳かわら版」。
秀逸なのをいくつか紹介する。
カネと票掴み壺から手が抜けぬ国葬は国を葬ることなんか信じる者救われなかった夏の空
最後にもう一度みんなでシュプレヒコールをして19時過ぎに解散した。
9月27日まで国葬反対デモが続く。