2019年青空映画舎、浄土真宗本願寺派
105分
ナレーション:宝田明、斉藤とも子
それはどのように始まり、どのように終わったのか。
どれほどの悲惨と残虐と苦しみがあったのか。
これほど多くの民間人が犠牲になった背景にはいったい何があったのか。
沖縄戦体験者12人の証言と専門家8人による解説、そして米軍が撮影した記録映像を用いて、時系列でわかりやすく克明に描いている。
下手な解説やコメントはすまい。
これはぜひ観てほしい。
国家というものがいかに狂気なシステムになりうるか、ファシズム下の学校教育がどれだけのことを成し遂げるか、人間がどれほど無明に閉ざされているか、嫌というほど実感させられる。
ソルティはこれまでに仕事で1度、観光で2度、沖縄に行っている。
しかし、沖縄戦の関連施設を訪ねることはなかった。
ひめゆりの塔、対馬丸記念館、沖縄陸軍病院跡、佐喜眞美術館・・・・。
一度は行っておくのが、沖縄を本土決戦のための時間稼ぎの防波堤として利用した「やまとんちゅう(本土の人)」の義務だろう。
ナレーションをつとめた宝田明(2022年3月逝去)は、ハンサムでダンディな俳優として知られたが、戦後満州で11歳まで過ごし、自身もソ連兵の銃弾で瀕死の重傷を負った過去があるという。
「なぜに子供たちは、親を奪われねばならなかったのか」
「なぜに子供たちは、実の親の手で殺されなければならなかったのか」
ラストシーンの慟哭そのものの語りはそれゆえであったか。
懼れるべきは、他国に攻撃される可能性なのか?
それとも、自国がファッショ化し、自国に心を殺される「今ここにある危機」なのか?
懼れるべきは、他国に攻撃される可能性なのか?
それとも、自国がファッショ化し、自国に心を殺される「今ここにある危機」なのか?
多くの子供達が本土疎開のために乗った対馬丸は
アメリカの潜水艦によって撃沈された
アメリカの潜水艦によって撃沈された
おすすめ度 :★★★★
★★★★★ もう最高! 読まなきゃ損、観なきゃ損、聴かなきゃ損
★★★★ 面白い! お見事! 一食抜いても
★★★ 読んでよかった、観てよかった、聴いてよかった
★★ いい退屈しのぎになった
★ 読み損、観て損、聴き損