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日時 2022年10月16日(日)13:30~
会場 埼玉会館大ホール(さいたま市)
指揮 小林雄太
曲目
  • ジョン・ウィリアムズ:『ジュラシック・パークからメインテーマ』
  • 芥川也寸志:交響管弦楽のための音楽
  • セルゲイ・ラフマニノフ:交響曲第2番

 90年代に『ボキャブラ天国』(フジテレビ系列)というバラエティ番組があった。
 ソルティが観ていたのは、司会がタモリ、サブがヒロミで、小島奈津子アナがアシスタントをつとめた最初の頃だけだった。
 視聴者投稿のダジャレ作品(格言・物や人の名前・歌詞などのダジャレや替え歌)を番組スタッフがタレントなどを使ってVTR化したものを、スタジオ出演者らが品評して賞を与えるスタイルであった。
 今思えばほんとに下手なダジャレばかりで、「いったいどこが面白かったんだろう?」と不思議な気がする。時代のムードってやつだろう。
 が、その中でソルティがいまだに忘れられない傑作がある。
 山本リンダのヒット曲『狙い撃ち』を替え歌にしたもので、だいたい次のような歌詞だった。

 ひがしうらわ にしうらわ みなみうらわ きたうらわ
 むさしうらわ なかうらわ
 うらわにゃ7つの駅がある。

 リンダ(本人だったか確かでない)の歌うアップテンポな調べに乗って、次々と実際の駅名表示が画面に現れる。
 埼玉県民であるソルティ、これには爆笑した。

 今回、数十年ぶりにJR浦和駅で降りたところ、構内にこんなオブジェを見かけた。

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 「うらわ」駅は8つに増えていた!
 浦和美園駅は埼玉高速鉄道の終点で、埼玉県さいたま市緑区美園にある。
 2001年に開業したそうだが、ソルティはまったく知らなかった。
 別名「埼玉スタジアム線」というように、浦和美園から徒歩15分のところにあるサッカー競技場が沿線一番の呼び水。
 サッカーに興味ない人間の脳内鉄道路線図には載っていなかった。
 確かに、浦和と言えば浦和レッズ。
 サッカーの街なのであった。

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浦和駅構内にあるサッカーストリート

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浦和レッズのお店

 埼玉会館は浦和駅西口から徒歩5分。
 思ったよりゴージャスなホールであった。
 約1300名収容の大ホールに500名ほどの来場は立派。
 入場無料に加え、バラエティ富んだ曲目も良かったのだろう。

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JR浦和駅西口

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埼玉会館

 目白フィルハーモニー管弦楽団は2018年3月結成の若いアマオケ。
 見たところ20~30代が多い。
 自然、オケの音も迫力と鮮度あふれるエネルギーに満ちたものであった。
 恐竜映画のサントラはもってこいだ。
 『ジュラシック・パーク』を再度観たくなった。
 
 2曲目の芥川也寸志(龍之介の三男)の管弦楽曲ははじめて聴いた。
 どことなくアラビアンナイト風。
 リズミカルで、神秘的で、媚態風なところもあり、情熱的なところもあり、ラストに向かってどんどん高まっていく興奮刺激性もある。
 この曲、オスカー・ワイルドの戯曲『サロメ』の「七つのヴェールの踊り」の伴奏にピッタリではないか。
 一枚一枚薄いヴェールを脱ぎながら、鳩のような白い足で踊るサロメ王女を想像した。
 指揮者の小林雄太は表情のつけ方が上手い。

 ラフマニノフを聴いていると、「やはりロシアは偉大だ」「やはりロシア人は熱い」と思わざるを得ない。
 プーチンのせいで世界の敵みたいに思われているロシアであるが、トルストイやドストエフスキー、チャイコフスキーやショスタコーヴィチ、エイゼンシュテインやタルコフスキーといった偉大な芸術家を生んだロシアはやっぱり偉大な国である。
 これらの作品によって浮かび上がるロシアの民は、一見、取っつきにくそうに見える態度のうちに熱いハートを持ち、人の世の苦しみや悲しみをよく知る哲学者。
 決して悪い人たちではない。 
 独裁を許してしまったのが間違いなのだ。
  
 若いオケならではのパワーと若干の稚拙さを、あふれる情熱と未完の夢というテーマに変貌させた指揮者の手腕が光った。
 第3楽章、第4楽章では泣かされた。
 拍手喝采。