2022年三五館シンシャ発行、フォレスト出版発売
フォレスト出版の××日記シリーズを、ソルティは基本近所の図書館で借りているのだが、新刊は大人気でいつも順番待ちとなる。
本書は予約してから3ヶ月以上待った。
同じ日に予約した『住宅営業マンぺこぺこ日記』は現時点で5人待ち、『ディズニーキャストざわざわ日記』は8人待ちである。
忘れた頃に通知がやって来る。
最近は書店の平棚に並んでいる本シリーズを見ることもある。
版元としては、10作を超える思いがけないヒットにびっくり&ホクホクだろうが、決め手はやはり中味。うまい書き手が揃っている。
不安定な労働条件やきびしい労働環境に翻弄されながらも、決して捨て鉢になることなく家族や生活のために働き続け、若い頃夢見たのとは違ってしまった人生を粛然と受け入れようとする書き手たちの姿が共感を呼ぶ。
不安定な労働条件やきびしい労働環境に翻弄されながらも、決して捨て鉢になることなく家族や生活のために働き続け、若い頃夢見たのとは違ってしまった人生を粛然と受け入れようとする書き手たちの姿が共感を呼ぶ。
本作もコールセンターにおける仕事の実態が赤裸々に描かれて、興味深かった。
クレーム電話の伏魔殿とも言えるコールセンターで、派遣社員として働いてきた著者(1967年新潟生まれ)の喜怒哀楽。
食品店や相談業務や介護現場といった対人業務を渡り歩いてきたソルティ、身につまされた。
客あるところクレームあり。
人あるところ変人あり。
モンスタークレーマーはどこにでもいるものだ。
著者は今、コールセンターから足を洗って、障がい者の介護現場でイキイキと働いているらしい。
介護現場もまたクレームはつきもの。
でも、それ以上に感謝されること多く、人や社会の役に立っているという自負も得られる。
電話とは違って、相手の笑顔も見られる。体温も感じられる。
全身を使う仕事なので、肩や腰に気をつければ、健康にも良い。
コールセンターの仕事で身に着けた忍耐力やコミュニケーション力が生かされているようでなによりだと思う。
体に気をつけて頑張ってほしい。
いや、介護現場に携わる同じ50代、互いに頑張りましょう。
いや、介護現場に携わる同じ50代、互いに頑張りましょう。
おすすめ度 :★★★
★★★★★ もう最高! 読まなきゃ損、観なきゃ損、聴かなきゃ損
★★★★ 面白い! お見事! 一食抜いても
★★★ 読んでよかった、観てよかった、聴いてよかった
★★ いい退屈しのぎになった
★ 読み損、観て損、聴き損
★★★★★ もう最高! 読まなきゃ損、観なきゃ損、聴かなきゃ損
★★★★ 面白い! お見事! 一食抜いても
★★★ 読んでよかった、観てよかった、聴いてよかった
★★ いい退屈しのぎになった
★ 読み損、観て損、聴き損
いつも、三五館シンシャの日記シリーズのご紹介をしてくださって、本当にありがとうございます。名もなき貧しい高齢労働者と書くと、松山善三監督のデコちゃん主演の名画を連想してしまいます。そんな高齢労働者の記録は、岸山が考えたような小林多喜二ばりのプロレタリア文学のようなプロパガンダではないそうです。三五館シンシャの社長は、ひとりで編集も販売促進活動も経理や雑多な事務もこなし、常に無数の人々に献本をし続けているようです。たったひとりだけの出版社の社長は、日記シリーズをプロパガンダのように限られた読者を対象として作っていないようです。思えば岸山は70年代、アメリカでベストセラーになった「最底辺」や鎌田慧の「自動車絶望工場」等を夢中で読んだものです。でも、そうした作者はプロ作家であり、職場に潜入してルポルタージを書いたのであって、日記シリーズはズブの文章素人労働者が綴ったところに価値があるようです。岸山は一方で日本文学特有の私小説を日記シリーズから感じ取ります。たとえば、「四万十川」の著者の全逓労働者としての体験を描いた「郵便屋」とか、最近、評価が高まっている河林満の水道部の職員として貧しい人の停水を執行してしまう労働を描いた「渇水」などの私小説を思い出します。日記シリーズって純文学ぽいと思ってしまいます。
話は変わりますが、国定忠治と固定電話には笑いました。
ソルティ様の教養に負けず、岸山はオタクぽさを発揮していきたいと念じております。
ソルティはかた
がしました