今年は66本の映画(ドキュメンタリー含む)を観た。
月に5本以上、自宅DVD鑑賞が中心であった。
鑑賞した順でベストテンを上げる。
- 日本の夜と霧(大島渚監督)・・・実際には2021年12月末に観ている。昨年のベストテン選出に間に合わなかった。1960年頃の共産党や新左翼を描いたもの。組織を守るために空疎な理論を振り回す共産党幹部が醜悪。
- マイ・バック・ページ(山下敦弘監督)・・・青春映画の傑作。1971年の朝霞自衛官殺害事件の顛末を描いた川本三郎の手記がもとになっている。今年はずいぶん左翼運動について学んだ年だった。
- リンダ・リンダ・リンダ(山下敦弘監督)・・・高校を舞台にした少女たちの青春。山下監督を知ったのは今年の大きな収穫だった。近藤龍人というキャメラマンも。
- 顔(阪本順治監督)・・・『どついたるねん』阪本監督の力量および役者藤山直美の巧さを再確認した。
- ひめゆりの塔(今井正監督)・・・米軍による爆撃シーンの圧倒的リアリティに慄いた。まさに鉄の暴風。水浴びする教師役の津島恵子と女生徒達の姿が忘れ難い。吉永小百合主演の舛田利雄監督版も悪くない。
- 沖縄戦 知られざる悲しみの記憶(太田隆文監督)・・・本作が直接的なきっかけとなって、11月末の沖縄戦跡めぐりに至った。
- 手をつなぐ子等(稲垣浩監督)・・・主役の少年寛太を演じた初山たかしの無邪気な笑顔に癒された。母親役の杉村春子も素晴らしい。
- 薔薇の葬列(松本俊夫監督)・・・若きピーターの魔性とモノクロ映像の芸術性。ギリシア悲劇に通じるラストも衝撃的!
- アンテベラム(ジェラルド・ブッシュ&クリストファー・レンツ監督)・・・今年一番の衝撃作。規模は小さくともアメリカで実際に起りえる(起こっている?)話だと思う。KKKは今も健在である。
- 硫黄島からの手紙(クリント・イーストウッド監督)・・・さすがイーストウッド。かつての西部劇のヒーローであるこの男を、石原慎太郎のような脳筋マッチョに分類するのは誤りである。
- 次点 『私は、マリア・カラス』(トム・ヴォルフ監督)・・・世紀の歌姫カラスの過去の稀少な舞台映像に興奮した。タイムマシーンがあったら、最盛期の彼女の舞台を観に行きたいソルティ。
沖縄旅行で立ち寄った那覇の桜坂劇場
沖縄の映画ファンのオアシスである