2014年アメリカ
113分

 原作はジェームズ・ダシュナーが2009年に発表したヤングアダルトSF小説。
 『メイズ・ランナー』の題名で角川文庫から邦訳が出ている。
 巨大な迷路(Maze)の真ん中に閉じ込められた若者たちの脱出劇を描くシチュエイション・スリラーである。

迷路
 
 意識と記憶を奪われて、ある日突然、迷路の中に放り込まれた若者たち。
 迷路をつくる分厚い壁は日々縦横無尽に移動し、迷路の中には獰猛醜悪なサソリを思わす怪物が棲んでいるので、容易には抜け出すことができない。
 外的環境の厳しさのみならず、主導権を巡っての仲間割れなど内的事情もなまなかなものではない。

 観ていて想起したのは、貴志祐介のサバイバル・ホラー『クリムゾンの迷宮』。
 あの作品と同様、迷路の中の若者たちを外部からモニターで監視する大人たちがいる。
 その目的はいったい何なのか?

 借りたときは気づかなかったが、映画は原作同様3部作仕立てであった。
 よって、謎が解明されず、若者たちの置かれている状況も理解できず、無事迷路を脱した者たちの苦難も去らないまま、続編に続く。
 しかし、ソルティはもう続きを追うことはないだろう。
 あくまでヤングアダルト向け。
 内容も映像もゲーム感覚である。
 いち早く抜けることにした。
 
 


おすすめ度 :★★

★★★★★
 もう最高! 読まなきゃ損、観なきゃ損、聴かなきゃ損
★★★★  面白い! お見事! 一食抜いても
★★★   読んでよかった、観てよかった、聴いてよかった
★★    いい退屈しのぎになった
★     読み損、観て損、聴き損