いま時分の京都は比較的空いているはずと思い、平日からめて三日間の京めぐり。
天気は時折、小雨や小雪に見舞われたけれど、おおむね晴れた。
思ったほど寒くなく、上着一枚、不要だった。
今回の主目的は、風俗博物館と栂尾三尾(とがのおさんび)巡り。
前者は、NHK大河ドラマ『光る君へ』の舞台となっている王朝時代の貴族の生活を、1/4縮尺でリアルに再現したジオラマがある。
京都には何度も行っているのに、迂闊にもここは訪れてなかった。
目の前にある西本願寺にも久しぶりに参詣したい。
京都には何度も行っているのに、迂闊にもここは訪れてなかった。
目の前にある西本願寺にも久しぶりに参詣したい。
後者は、京都市北西の静かな山中に位置する高山寺、西明寺、神護寺。
高山寺は夢日記を書いた明恵上人と鳥獣戯画で知られている。
あとの二寺は弘法大師空海とゆかりの深い名刹である。もちろん、素晴らしい仏像との出会いも楽しみ。
あとの二寺は弘法大師空海とゆかりの深い名刹である。もちろん、素晴らしい仏像との出会いも楽しみ。
残り一日は、レンタル自転車で市内を好き勝手に回ろう。
3/7(木)晴れ
09:00 京都駅着
10:00 風俗博物館
12:00 西本願寺
14:00 昼食
15:00 壬生寺
16:00 四条大宮駅
阪急京都線で四条河原町へ
17:00 宿入り
京都駅は外国人観光客でごった返していた
春節が終わり中国人が減ったのが、せめてもの慰め
徒歩15分ほどで風俗博物館に着く(井筒左女牛ビル5階)
古代から近代にいたる日本の風俗・衣装を実物展示する博物館として
昭和49年オープンした
エレベータが開くと、そこは平安時代
雅楽の調べが流れてくる
十二単を来た女性(実物大)
後ろ姿
人の着物を踏まないように歩くのは大変だったはず
貴族メンの正装着である束帯は位ごとに使用できる着物の色が決まっていた
左端が一番高位、右に下がっていく
今回のメイン展示は『源氏物語・御法(みのり)の巻』より
光源氏の正妻・紫の上が二条院で主宰した法華経千部供養の模様を再現
一等席で見物する光源氏(白い衣)と息子の夕霧(手前)
細かいところまでリアルに再現されたジオラマの完成度に感嘆しきり
中国の故事にちなんだ舞楽「陵王」が披露される
館のなかでは粛々と法会行事が進行中
馬の房飾りや従者の草履などキメ細かい
見物する童子たち
可愛い!
なにやらBLっぽい想像を掻き立てる貴公子ふたり
廂の間(今の廊下)で出番を待ち団らんする僧侶たち
「今日のご祝儀は期待できるな」「しっ、聞こえるぞ」
塗籠(ぬりごめ)で法会を見守る紫の上と侍女たち
御簾や几帳で周りを覆い、顔を見せないのが貴族女性のたしなみだった
このとき紫の上は自らの死を予感していた
(紫式部の名の由来は「紫の上」からくる)
光源氏の妾妻である、花散里と明石の上も訪れて、紫の上と歌を交わした
「貴族の妻は嫉妬深くてはやっていけません」(道綱の母、反省の弁)
互いに髪の手入れをし合う女房たち
エクステンション(つけ毛)というのもあった
着物に香を焚きしめる女子
偏つぎをする女性たち
『光る君へ』でも登場した平安の代表的インドアゲーム
生地色のグラデーションやコントラストで季節に合わせた着物をまとうのが粋
「かさね色目」と言う(上は「梅かさね」)
かぐや姫もとい『竹取物語』のクライマックス、天人来迎シーン
絵本でも映画でも、かぐや姫は十二単姿で描かれることが多いけれど、
物語が書かれた時期(平安初期)を考えると、上のような唐風であったはず
夢のような2時間。
館内を3周も回ってしまった。
『光る君』オンエア中は混むことだろう。
平日の朝一番、空いていて良かった。
西本願寺は親鸞聖人を宗祖とする浄土真宗本願寺派の本山
現在の地所は豊臣秀吉からの寄進による
宗徒の多さを感じさせる巨大感
上は阿弥陀堂
親鸞聖人の木造が安置されている御影堂
世界最大級の木造建築(227本の柱、115,000枚の瓦)
ベートーベンの交響曲のような風格と美しさがある
国宝・唐門(からもん)
このデコトラ風のキンキラキン、まさに秀吉好み
京都三名閣の一つと言われる飛雲閣が、ガイドさん説明付きで特別公開されていた
残り二つは言うまでもない
建物の左肩からのぞく京都タワーが可愛い
桃山~江戸初期の建築とされ、全体が軽やかで空に浮かぶ雲のようだとして、
その名がついたといわれる。
左右非対称でありながら調和のとれた独特のたたずまいが面白い
池の端から舟に乗って、1階の座敷に直接入れる仕組みとなっていた
なんだか隅田川から舟に乗って遊びに行ったという、昔の吉原を想起させる
浴室(右端の小屋)もあるというし、ゲストハウスとして”そういう”使われ方をしたのでは?
その名がついたといわれる。
左右非対称でありながら調和のとれた独特のたたずまいが面白い
池の端から舟に乗って、1階の座敷に直接入れる仕組みとなっていた
なんだか隅田川から舟に乗って遊びに行ったという、昔の吉原を想起させる
浴室(右端の小屋)もあるというし、ゲストハウスとして”そういう”使われ方をしたのでは?
2階の戸板には紀貫之や小野小町ら三十六歌仙の姿が描かれている
鐘楼もいかがわしいまでに飾り立てられている
滴翠園(てきすいえん)
この庭もふだん非公開
やっと昼飯だ~
西本願寺そばの『カンパネラ』
ここのカレーライスと和三盆プリンは超おススメ!
元気復活の旨さ。
ここから30分ほど歩いて壬生寺に向かう
律宗・壬生寺(みぶでら)
991年快賢僧都によって創建された
壬生狂言と新選組と壬生菜(みぶな)で有名な寺である
千躰の石仏が側面を覆う東南アジア風のパゴタ(仏塔)が目立つ
境内には新選組関連の遺跡がある
近藤勇の胸像や、新選組組長芹沢鴨以下、隊士10名の墓がある
ソルティは新選組にあまり興味がないのだが、これも縁だ、『壬生義士伝』を観てみるか
壬生狂言は、演目に『玉藻の前』、『土蜘蛛』、『道成寺』など鬼・妖怪ものが多い
土地柄なのか、気になる
嵐電の踏切を超えて、四条大宮まで歩く
四条大橋ふもとのカフェで一休み
四条河原町へと繰り出す外国人旅行客ら
鴨川
四条大橋から五条橋を望む
うららかな夕暮れであった
八坂神社近くのカプセルホテルに宿泊
屋上の露天風呂の眺めがよく、気持ち良かった