- クサカ(日下)=クサ(日陰)+カ(処)→日の当たらないところ
- ツルマキ(鶴巻、鶴牧、弦巻など)=弦巻(弓に弦を巻く円形の器具)→円形の土地
- イチのつく地名(市、市場、一ノ瀬など)=イチ(巫女などの宗教者)が住んでいたところ (もちろん「市(マーケット)」や「一番」の意によるところも多い)
- ツマのつく地名(川妻、上妻、下妻など)=「そば、へり」の意→川べりにある土地
- アオやイヤのつく地名(青山、青木、伊谷、弥谷など)=葬地だったところ
- サイノカワラ(賽の河原)=サエ(境)+ノ+ゴウラ(石原)→石がゴロゴロしている境界の地
同地の例では、葬式の翌日か死後三日目または七日目に、血縁の濃いものが偶数でまずサンマイ(埋め墓)へ行き、「弥谷へ参るぞ」と声をかけて一人が死者を背負う格好をして、数キロから十数キロを歩いて弥谷寺へ参る。境内の水場で戒名を書いた経木に水をかけて供養し、遺髪と野位牌をお墓谷の洞穴へ、着物を寺に納めて、最後は山門下の茶店で会食してあとを振り向かずに帰る。(吉川弘文館『日本民俗大辞典』より抜粋、筆者は小嶋博巳)