玉川上水 007
 

とき 2017年4月29日(日)
天気 晴れ、風爽やかなり 
行程
 12:30 西武国分寺線「鷹の台」駅 出発
 14:00 西武拝島線「玉川上水」駅 到着
歩行時間 90分
歩行距離 約3.5km

 絶好の山日和である今日は中央線沿いの未踏の不老山(520m)を予定していたのだが、人混みが不安だった。不老山はマイナーなので山中は混まないと思うが、行き帰りの列車やバス、そして下山後の温泉に混雑が予想される。昔からGWの混雑はどうも苦手である。
 予定をキャンセルし、町の中の自然を楽しむことにした。
 
 東京都小平市には「こだいらグリーンロード」というのがある。
 市のほぼ周縁を、緑に囲まれた全長約20kmの遊歩道がぐるりと囲んでいる。その下側の一辺(約8km)を玉川上水路が走っている。江戸時代に幕府の命令により玉川兄弟によって造られた水道施設である。
 ソルティは、このグリーンロードを徒歩で一周したこともあるし、三鷹市にある井の頭公園からスタートして東羽村市にある羽村取水堰(ここで源流の多摩川から取水されている)までの「玉川上水の原点を訪ねる」徒歩旅行をしたこともある。
 玉川上水は掘(水路)の左右に植えられた樹木がかたちづくるグリーンルーフ(緑の屋根)をもつ遊歩道となっているところが多いのであるが、中でももっとも木々が美しく生い茂り、幹線道路から離れているため静寂が保たれ空気もきれいで、歩いて気持ちいいのが、西武国分寺線「鷹の台」駅から西武拝島線「玉川上水」駅までの約3.5kmの遊歩道、まさにグリーンロードの一部である。

 今回は、この玉川上水の「聖なる道」を、木々との出会いを楽しみながら、ゆっくりと歩いてみた。

 
玉川上水 008
鷹の台駅・・・創価学会系はじめ学校が多く、平日の朝夕は学生の乗降で賑わう
 

玉川上水 001
玉川上水遊歩道(こだいらグリーンロード)


 これまでに100以上の山に登っているというのに、木の名前をあまりに知らない。杉、松、カエデ、イチョウ、柳、プラタナス、梅、白樺くらいは見てわかるが、たとえば、「杉とヒノキはどう違うのか?」「ケヤキとクヌギとクスノキの見分け方は?」「どんぐりができるのは何と何の木?」と問われると、まるでわからない。
 小学生の理科の野外学習で「葉っぱで樹木を見分ける方法」を学んだのは覚えているが、もちろんまったく記憶に残っていない。
 当の樹木たちにしてみれば、自分に名前が付いていることなどまったく関知するところではない。「これは杉だよ」と間違って名指されたヒノキ女史が、「失礼しちゃうわね。私はヒノキよ」とおかんむりになるわけもない。
 これまでは「木は木であればそれでいい」と気にもしなかったソルティであるが、「もう少し生態やら用途やら豆知識やらを知れば、より山歩きが楽しめるかも」と思うようになった。花や鳥についても同様である。
 山登りの目的が、一つでも多くのピーク(山頂)を踏破するとか、より高い標高を求めるとか、息を切らしながら険しい崖を上りきった達成感を味わうといった「闘争的・交感神経的」なものから、それほど険しくない山道を、木々や花を愛で、鳥の鳴き声や風の音や川のせせらぎに耳を澄ませ、ところどころ立ち止まりながらゆっくりと時間をかけて歩く「平和的・副交感神経的」なものへと移行している。男性的から女性的へと言ったら、ジェンダー差別か?
 ガイドブックに表示されている標準歩行時間が5時間なら、昔は5時間以内に下山すると「してやったり!」と思ったものだが、今は5時間のところを7時間かけてゆっくり歩きたい。体にも心にも負担をかけたくない。
 歳を取ったのである。

 以下の説明はホームページ『樹木検索図鑑』参照。(←このサイトは素晴らしい!!)
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玉川上水 003

クヌギブナ科 コナラ属)
落葉高木。樹皮は縦に深く割れゴツゴツした感じ。丸いどんぐりが成る。
 



玉川上水 006

エノキニレ科 エノキ属)
落葉高木。樹皮はざらざらした感じで皮目は目立たない。



玉川上水 009

ネムノキマメ科 ネムノキ亜科ネムノキ属)
落葉小高木。樹皮はなめらか。初夏、枝先に淡紅色の花が頭状に集まってつく。
 

 
 
玉川上水 010

ケヤキニレ科 ケヤキ属)
落葉高木。幹は直立し扇形の樹形になる。樹皮は成長すると不規則に剥がれる。



玉川上水 013
グリーンロードのところどころにあるオープンガーデン(自由に入れる)
 

玉川上水 011
おとぎの国に来たかのようなファンシーな風景が広がる


玉川上水 016

シラカシブナ科 コナラ属)
常緑高木。樹皮はなめらか。どんぐりが成る。
 
 


玉川上水 018

ミズキミズキ科 ミズキ属)
落葉高木。樹皮はなめらかでうっすらと縦皺が入る。初夏白い小さな花を多数つける。


玉川上水 004

イヌシデカバノキ科 クマシデ属)
落葉高木。樹皮はなめらかで,縦縞の模様が入る。


玉川上水 021

 モチノキモチノキ科 モチノキ属)
常緑高木。樹皮なめらか。樹皮から鳥もちを作ったことからこの名がある。


玉川上水 022

エゴノキ(エゴノキ科 エゴノキ属)
落葉小高木。樹皮は黒っぽなめらか。
名前の由来は
果皮がエゴサポニンを含み、味がえごい(えぐい)ことから。

 
 
玉川上水 019
玉川上水駅の近くで堀に下りることができる


 本日は実は一般社団法人日本ウオーキング協会主催の「ウオーキングフェスタ東京ツーデーマーチ」というのがあり、こだいらグリーンロードは数千人規模の参加者であふれかえっていた。
 人混みを避けたつもりがモロぶつかってしまった。
 でも、気づいた。
 歩行中ずっと周りの‘木’に意識を向けていたら、全然擦れ違う人の波が‘気’にならなかったのである。