2013年アメリカ、イギリス製作。

 ゼロ・グラビティ(無重力)の宇宙空間で船外活動中に事故にあい、宇宙に放り出されたライアン・ストーン博士(=サンドラ・ブロック)が、次々と襲いかかる絶体絶命のピンチを根性と強運とで切り抜け、無事地球に帰還するまでを圧倒的映像でスリリングに描いたSF映画。
 広大無辺の宇宙空間や我らがミスター・ブルー(by八神純子)の美しくもシュールな映像、宇宙船の船体や機器の精密なセット、全編にみなぎるスピードと迫力。これは大画面で観たい映画である。
 主たる登場人物がライアン博士と同僚のマット・コワルスキー(=ジョージ・クルーニー)のほぼ二人だけというのも面白い。ドラマを描くのにたくさんの人間は必要ないことの証明である。
 孤軍奮闘するサンドラ・ブロックの演技は、実質的な映画デビュー作『スピード』(1994年)を思い出させるが、さすがにあの頃より深みある熟成した演技を見せてくれる。湖に着水したあと、地球の重力を全身に感じながら砂浜に立ち上がるシーンは、なんだか両生類がはじめて陸に上がった3億6千年前の地球の光景を見るかのような、あるいは憧れの王子様を求めて砂に上がった人魚姫の試練を目の当たりにするかのようなドキドキ感がある。エロティックと言ってもいいくらいの。
 ジョージ・クルーニー。あいかわらず渋くて飄々としてイイ男っぷりである。

 それにしても、事故の原因がロシアのせいってのはどうよ?
 アポロ時代か? 『ロッキー』か?
 いくら宇宙開発が進んでも、人類は進歩しないっていう皮肉か。



評価:B-(大画面&3Dで観たらB+かも・・・)


A+ ・・・・めったにない傑作。映画好きで良かった。 
「東京物語」「2001年宇宙の旅」「馬鹿宣言」「近松物語」

A- ・・・・傑作。できれば劇場で見たい。映画好きなら絶対見ておくべき。
「風と共に去りぬ」「未来世紀ブラジル」「シャイニング」「未知との遭遇」「父、帰る」「ベニスに死す」「フィールド・オブ・ドリームス」「ザ・セル」「スティング」「フライング・ハイ」「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」「フィアレス」   

B+ ・・・・良かった~。面白かった~。人に勧めたい。
「アザーズ」「ポルターガイスト」「コンタクト」「ギャラクシークエスト」「白いカラス」「アメリカン・ビューティー」「オープン・ユア・アイズ」

B- ・・・・純粋に楽しめる。悪くは無い。
「グラディエーター」「ハムナプトラ」「マトリックス」「アウトブレイク」「アイデンティティ」「CUBU」「ボーイズ・ドント・クライ」

C+ ・・・・退屈しのぎにちょうどよい。(間違って再度借りなきゃ良いが・・・)
「アルマゲドン」「ニューシネマパラダイス」「アナコンダ」 

C- ・・・・もうちょっとなんとかすれば良いのになあ。不満が残る。
「お葬式」「プラトーン」

D+ ・・・・駄作。ゴミ。見なきゃ良かった。
「レオン」「パッション」「マディソン郡の橋」「サイン」

D- ・・・・見たのは一生の不覚。金返せ~!!