2011年イタリア映画。

 ブログを書いていると、因縁の仕組みを感じる。

 このブログで取り上げる映画はそのときそのときの自分の感覚でチョイスしたもので、偶然TUTAYAの棚で見かけて「面白そう」と思って手に取ったものである。「どういうテーマの映画を観よう」とか「次はこの監督(俳優)の作品を観よう」という意図はほとんどの場合働いていない。映画の内容についても、借りる前にそれほど詳しくチェックしているわけではない。せいぜい簡単なあらすじくらい。見終わったあとで評価を下したら、自分の中では「完了」である。
 ブログで感想を書き始めてみて気づいたのは、自分では「面白そう」優先で行き当たりばったり選んでいるつもりの映画のリストを、あとから時系列で辿ってみると、作品から作品へ何らかの繋がり(関連)が連想ゲームのように浮かび上がって見えて来ることである。コメディ、シリアス、オカルト、SF、恋愛、文芸もの、伝記もの・・・。作品のジャンルや舞台背景、映画の制作年や制作国はさまざまなれど、一連の流れが存在するのだ。まるで、自分の意識(意図)とは別のところで無意識が働いて、それが勝手に棚の前に立つ自分の手を作品に導いているかのようである。
 と言って何も神秘化する必要はない。
 単に、自らの内面を流れる意識や思考や感情の流れ(連鎖反応)にきちんと気づけていないだけなのである。前の(過去の)選択結果が因となって、次の(未来の)選択を生む。自分で認識していないだけで、実はちゃんと因果は働いているのだ。
 より深いところで「自分」を動かしているもの、それが因縁である。

 アッシジの聖者『神の道化師フランチェスコ』を観たあとに、2本つづけて同じイタリア映画を借りてしまったのは、偶然でもシンクロニシティでもなく、どこかでイタリアに対する執着があるのだろう。その2本(SFとヒューマンコメディ)が、蓋を開けてみたら、どちらもはからずも「バチカン崩壊」に関わるテーマであったことも偶然ではあるまい。


 『宇宙人王(ワン)さんとの遭遇』は、一見月並みな映画である。
 地球(ローマ)に飛来し、家宅侵入で黒人女性に捕らえられ、当局から拷問まがいの尋問を受ける宇宙人。
 「地球に来た目的はなにか?」
 「お前が持ち歩いているこのへんてこな機械の使途はなにか?」
 宇宙人は答える。
 「地球人との交流、相互理解が目的です」
 「これは母船への連絡ツールです」
 まったく信用しない尋問官。
 激しさを増す拷問。
 その容赦無さに、宇宙人との通訳のために雇われた若き女性は、人道主義に訴える。
 だが、警備厳重な地下室で行われている長引く尋問は、宇宙人にとってはただの時間稼ぎに過ぎなかった。
 地上では宇宙人による空からの攻撃が開始される。
 壊れゆくバチカン。消えてゆくローマの街。

 それだけの話なのである。目新しい展開、意外な結末はここにはない。
 もっとストーリーの凝った、意表をつく展開はいくらでもあるだろう。地下室のセットも安っぽいし、当の宇宙人もその昔ウルトラマンに出てきたような前時代的風貌(=着ぐるみ)である。
 だが、この作品には目を離させない磁力がある。
 それを作っているのは、当の宇宙人が自らを「王(ワン)」と名乗り、中国語を流暢に喋る紳士キャラ、というところである。
 それによって、作品自体が、中国という欧米人から見たら得体の知れない国、今や経済戦争の頂点に立って世界を脅かす強大な国、欧米流のルールが通用しない唯物主義の国、に対する一種の風刺になっているのである。 
 一昔前であれば、この宇宙人は日本語を喋っていたであろう。

 宇宙人との通訳のために雇われた中国語通訳のイタリア女性は、破壊されていくバチカンのドームを窓越しに見つめながら、自らの人道主義の幼稚さを知る。
 だが自分を責めることはない。
 大宇宙を旅して地球に来ることができる時点で、その科学力はもはや地球人の比ではないのだから。闘うだけ無駄だ。



評価:C+

A+ ・・・・・ めったにない傑作。映画好きで良かった。 
        「東京物語」「2001年宇宙の旅」   

A- ・・・・・ 傑作。劇場で見たい。映画好きなら絶対見ておくべき。
        「風と共に去りぬ」「未来世紀ブラジル」「シャイニング」
        「未知との遭遇」「父、帰る」「ベニスに死す」
        「フィールド・オブ・ドリームス」「ザ・セル」
        「スティング」「フライング・ハイ」
        「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」「フィアレス」

B+ ・・・・・ 良かった~。面白かった~。人に勧めたい。
        「アザーズ」「ポルターガイスト」「コンタクト」
        「ギャラクシークエスト」「白いカラス」
        「アメリカン・ビューティー」「オープン・ユア・アイズ」

B- ・・・・・ 純粋に楽しめる。悪くは無い。
        「グラディエーター」「ハムナプトラ」「マトリックス」 
        「アウトブレイク」「アイデンティティ」「CUBU」「ボーイズ・ドント・クライ」
      
C+ ・・・・・ 退屈しのぎにちょうどよい。(間違って再度借りなきゃ良いが・・・)
        「アルマゲドン」「ニューシネマパラダイス」「アナコンダ」 

C- ・・・・・ もうちょっとなんとかすれば良いのになあ。不満が残る。
        「お葬式」「プラトーン」

D+ ・・・・・ 駄作。ゴミ。見なきゃ良かった。
        「レオン」「パッション」「マディソン郡の橋」「サイン」

D- ・・・・・ 見たのは一生の不覚。金返せ~!!