2008年オーストラリア映画。
家族と出かけた湖で行方不明となり、数ヵ月後に水死体で見つかった少女の死の謎をたどる物語。
全編が記録による回想という体裁を取り、過去の出来事がすべてが終結した現在の視点から、さまざまな記録媒体を駆使して語られていく。テレビ、カメラ、カセットテープ、ホームビデオ、VHSテープ、携帯電話の動画・・・。録画や録音を通して、少女の謎はだんだんと明らかにされていくのだが、一方、記録することで生み出されていく「魔」がある。少女の霊が撮影されたテープに取り込まれていくのである。
オーストラリアの美しい自然を写し取ったインサートショットを差し挟みながら、思春期の少女の心の脆さ、はかり知れなさをオカルティズムと融合しつつ、客観的に(記録ゆえに当然そうなる)淡々と描いていて好感は持てるのだが、肝心の少女の胸のうちが曖昧なままに終わっていて、いささか拍子抜けの感を否めない。少女が霊となって現れるのは、「家族に本当の自分の姿を知ってもらいたかったから」というドラマ内の説明がそのとおりであるなら、もう少し、少女の心が明かされる必要があろう。つまり、彼女に「何があったか」ではなくて、彼女が起こったことをどう感じ、どう思っていたかを。
でないと、やっぱり「犬死に」という印象しか残らない。
それとも、明かされなかった、家族に十分に理解されなかったがゆえに、最後のシーンに見るように、少女の霊は成仏することなく、屋敷に残ったということなのか。
評価: C-
参考:
A+ ・・・・・ めったにない傑作。映画好きで良かった。
「東京物語」 「2001年宇宙の旅」
A- ・・・・・ 傑作。劇場で見たい。映画好きなら絶対見ておくべき。
「風と共に去りぬ」 「未来世紀ブラジル」 「シャイニング」 「未知との遭遇」 「父、帰る」 「フィールド・オブ・ドリームス」 「ベニスに死す」 「ザ・セル」 「スティング」 「フライング・ハイ」 「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」 「フィアレス」 ヒッチコックの作品たち
B+ ・・・・・ 良かった~。面白かった~。人に勧めたい。
「アザーズ」 「ポルターガイスト」 「コンタクト」 「ギャラクシークエスト」 「白いカラス」 「アメリカン・ビューティー」 「オープン・ユア・アイズ」
B- ・・・・・ 純粋に楽しめる。悪くは無い。
「グラディエーター」 「ハムナプトラ」 「マトリックス」 「アウトブレイク」 「タイタニック」 「アイデンティティ」 「CUBU」 「ボーイズ・ドント・クライ」 チャップリンの作品たち
C+ ・・・・・ 退屈しのぎにちょうどよい。(間違って再度借りなきゃ良いが・・・)
「アルマゲドン」 「ニューシネマパラダイス」 「アナコンダ」
C- ・・・・・ もうちょっとなんとかすれば良いのになあ~。不満が残る。
「お葬式」 「プラトーン」
D+ ・・・・・ 駄作。ゴミ。見なきゃ良かった。
「レオン」 「パッション」 「マディソン郡の橋」 「サイン」
D- ・・・・・ 見たのは一生の不覚。金返せ~!!