2015年イギリス・アメリカ制作
上映時間104分
名探偵シャーロック・ホームズを主人公とするパスティーシュ(模倣作)。
コナン・ドイル原作本の映画化と思うと裏切られる。どころか、ドイルの原作やこれまでテレビや映画に登場したホームズ像に近いものを期待していると、大いに裏切られることになる。
『ロード・オブ・ザ・リング』『X-MEN』シリーズで知られる名優イアン・マッケラン(組合仲間)がここで演じているのは、引退した93歳のよぼよぼシャーロックであり、なんたることか認知症と闘うホームズなのである。世紀の名探偵も歳には勝てない。あの記憶力抜群で数学と論理に長けたホームズが、白髪頭を振り振り、「憶いだせん・・・」と呟くのを見ることになるとは・・・!
イアン・マッケランは1939年生まれだから撮影当時76歳。日本なら後期高齢者だが役者としてはまだまだ十分現役。いまだかつてだれもチャレンジしたことがない(多分)であろう90代のホームズを違和感なく見事に演じているのはさすが。老いて顔が痩せてますますあの有名な鷲鼻も目立っている。
認知症状を軽減する効能があるという山椒魚を求めて、ホームズが戦後間もない日本を旅するシーンがある。ホームズの案内役として真田広之が出演しているのも見所である。
実際にはホームズが日本に来たという逸話はないはずである。でも、二重の意味で作りごととは承知しているものの、ソルティのようなシャーロキアンにとって、ホームズの来日譚は素直にうれしい。ただ、被爆後の広島を訪れるあまりの無謀さは科学者ホームズらしくない。
肝心の最後の事件の中味と謎解き自体は、とても目覚しいものとは言えず。
評価:C-
A+ ・・・・めったにない傑作。映画好きで良かった。
「東京物語」「2001年宇宙の旅」「馬鹿宣言」「近松物語」
A- ・・・・傑作。できれば劇場で見たい。映画好きなら絶対見ておくべき。
「風と共に去りぬ」「未来世紀ブラジル」「シャイニング」「未知との遭遇」「父、帰る」「ベニスに死す」「フィールド・オブ・ドリームス」「ザ・セル」「スティング」「フライング・ハイ」「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」「フィアレス」
B+ ・・・・良かった~。面白かった~。人に勧めたい。
「アザーズ」「ポルターガイスト」「コンタクト」「ギャラクシークエスト」「白いカラス」「アメリカン・ビューティー」「オープン・ユア・アイズ」
B- ・・・・純粋に楽しめる。悪くは無い。
「グラディエーター」「ハムナプトラ」「マトリックス」「アウトブレイク」「アイデンティティ」「CUBU」「ボーイズ・ドント・クライ」
C+ ・・・・退屈しのぎにちょうどよい。(間違って再度借りなきゃ良いが・・・)
「アルマゲドン」「ニューシネマパラダイス」「アナコンダ」
C- ・・・・もうちょっとなんとかすれば良いのになあ。不満が残る。
「お葬式」「プラトーン」
D+ ・・・・駄作。ゴミ。見なきゃ良かった。
「レオン」「パッション」「マディソン郡の橋」「サイン」
D- ・・・・見たのは一生の不覚。金返せ~!!