ソルティはかた、かく語りき

東京近郊に住まうオス猫である。 半世紀以上生き延びて、もはやバケ猫化しているとの噂あり。 本を読んで、映画を観て、音楽を聴いて、芝居や落語に興じ、 旅に出て、山に登って、仏教を学んで瞑想して、デモに行って、 無いアタマでものを考えて・・・・ そんな平凡な日常の記録である。

フィリップ・シーモア・ホフマン

● 映画:『25年目の弦楽四重奏』(ヤーロン・ジルバーマン監督)

2012年アメリカ映画。

 弦楽四重奏は、第1バイオリン、第2バイオリン、ヴィオラ、チェロの4つの弦楽器によって構成される。

 結成25年目を迎えたプロの弦楽四重奏団「フーガ」は、父親格のチェロ奏者ピーター(=クリストファー・ウォーケン)がパーキンソン病にかかったことから、突如メンバー交代の節目を迎える。それがきっかけとなって、残り三人の奏者の心の中でくすぶっていた様々な思いが浮上し、人間関係に齟齬が生じていく。事態は混乱の極みに達し、ピーターの引退公演を直前にして「フーガ」は解散の危機に陥ってしまう。
 ――という人間ドラマが、「フーガ」の十八番であるベートーヴェン《弦楽四重奏曲第14番》の調べをモチーフにしながら進行していく。登場人物の性格や心の動きにのっとった無理のないドラマ展開、セリフの自然さ、演じる四者(第1バイオリン:マーク・イヴァニール、第2バイオリン:フィリップ・シーモア・ホフマン、ヴィオラ:キャサリン・キーナー)の滋味ある演技。芸術家のドラマとしても通用するくらいの良く取材され練られた脚本。人生の秋を迎えた大人達の鑑賞に堪える佳品である。
 
 クリストファー・ウォーケンと言えば、いまだに『ディアハンター』のイメージが強いが、相変わらずの演技達者ぶりである。存在感も別格。
 ピーターの亡き妻ミリアムを演じているのは、実在の有名な美人メゾソプラノ歌手アンネ=ゾフィー・フォン・オッター。彼女の出演シーンはピーターの回想中のほんの一シーンだけだが、その歌声は艶やかな気品に満ちたもので、はっと耳をそばだてさせる。

 ベートーヴェン《弦楽四重奏曲第14番》を聴きたくなること間違いなし。


評価:B-

A+ ・・・・めったにない傑作。映画好きで良かった。 
「東京物語」「2001年宇宙の旅」「馬鹿宣言」「近松物語」

A- ・・・・傑作。できれば劇場で見たい。映画好きなら絶対見ておくべき。
「風と共に去りぬ」「未来世紀ブラジル」「シャイニング」「未知との遭遇」「父、帰る」「ベニスに死す」「フィールド・オブ・ドリームス」「ザ・セル」「スティング」「フライング・ハイ」「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」「フィアレス」   

B+ ・・・・良かった~。面白かった~。人に勧めたい。
「アザーズ」「ポルターガイスト」「コンタクト」「ギャラクシークエスト」「白いカラス」「アメリカン・ビューティー」「オープン・ユア・アイズ」

B- ・・・・純粋に楽しめる。悪くは無い。
「グラディエーター」「ハムナプトラ」「マトリックス」「アウトブレイク」「アイデンティティ」「CUBU」「ボーイズ・ドント・クライ」

C+ ・・・・退屈しのぎにちょうどよい。(間違って再度借りなきゃ良いが・・・)
「アルマゲドン」「ニューシネマパラダイス」「アナコンダ」 

C- ・・・・もうちょっとなんとかすれば良いのになあ。不満が残る。
「お葬式」「プラトーン」

D+ ・・・・駄作。ゴミ。見なきゃ良かった。
「レオン」「パッション」「マディソン郡の橋」「サイン」

D- ・・・・見たのは一生の不覚。金返せ~!!



 


● 映画:『ザ・マスター』(ポール・トーマス・アンダーソン監督)

 2012年アメリカ映画。

 トム・クルーズがいかがわしい説教師を演じた『マグノリア』(1999、ソルティ評価B+)で作家としてのセンスの高さと腕の冴えを見せてくれたアンダーソン監督。
 ヴェネツィア国際映画祭監督賞を獲っているだけあって、この作品も上々の出来で143分の長尺をまったく飽きることなく楽しむことができた。
 主役の二人、『カポーテ』(2005)でオスカーを獲ったフィリップ・シーモア・ホフマンと、『グラディエーター』(2000)の皇帝役の印象が強いホアキン・フェニックスの演技もはまっていて、新興宗教の魅力あるグル(ランカスター・トッド)とトラウマに苛まれるその門弟(フレディ・クエル)との、家族を含め周囲の誰にも理解され得ない、世代や育ちを超えた男と男の強く奇妙な絆が描かれる。
 それは恋愛でもなく友情でもない。無理にあてはめれば擬似の父子関係と言うこともできようが、二つの魂が惹かれあうさまは「前世」とか「因縁」という言葉をついつい用いだしたくなる。

 子供のようにあけっぴろげで幸福感にあふれ神秘的なトッド・ランカスターのモデルは、アメリカの新興宗教「サイエントロジー」の創始者L・ロン・ハバートではないかと憶測されたようだが、自分はロシアの神秘家グルジェフを連想した。
 「グル」という語は、サンスクリット語で「指導者」「教師」「尊敬すべき人物」などを意味するらしい。グルジェフ、ラジニーシ(和尚)、クリシュナムルティ、ラマナ・マハリシ、サイババ、マハリシ・マヘーシュ・ヨーギー、麻原彰晃、大川隆法、文鮮明、無明庵EO・・・・。
 世にグルはあまたある。自分はそういう人物に本では接するけれど直接的には接してこなかった。自分の中の依存心が引き出されて洗脳されてしまうのが怖くもある。
 だがこの映画のフィリップ・シーモア・ホフマンのようなグルが目の前に現れたら、ついて行ってしまいそうだ。
 あるいは天草四郎時貞ばりの美少年か。

天草四郎

 
評価:B-

A+ ・・・・・ めったにない傑作。映画好きで良かった。 
        「東京物語」「2001年宇宙の旅」   

A- ・・・・・ 傑作。劇場で見たい。映画好きなら絶対見ておくべき。
        「風と共に去りぬ」「未来世紀ブラジル」「シャイニング」
        「未知との遭遇」「父、帰る」「ベニスに死す」
        「フィールド・オブ・ドリームス」「ザ・セル」
        「スティング」「フライング・ハイ」
        「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」「フィアレス」    

B+ ・・・・・ 良かった~。面白かった~。人に勧めたい。
        「アザーズ」「ポルターガイスト」「コンタクト」
        「ギャラクシークエスト」「白いカラス」
        「アメリカン・ビューティー」「オープン・ユア・アイズ」

B- ・・・・・ 純粋に楽しめる。悪くは無い。
        「グラディエーター」「ハムナプトラ」「マトリックス」 
        「アウトブレイク」「アイデンティティ」「CUBU」
        「ボーイズ・ドント・クライ」
   
C+ ・・・・・ 退屈しのぎにちょうどよい。(間違って再度借りなきゃ良いが・・・)
        「アルマゲドン」「ニューシネマパラダイス」「アナコンダ」 

C- ・・・・・ もうちょっとなんとかすれば良いのになあ。不満が残る。
        「お葬式」「プラトーン」

D+ ・・・・・ 駄作。ゴミ。見なきゃ良かった。
        「レオン」「パッション」「マディソン郡の橋」「サイン」

D- ・・・・・ 見たのは一生の不覚。金返せ~!!


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