78分
敗戦直後(0年)のドイツに暮らす一家族を描く。
瓦礫だらけのベルリン市街で、一家4人は数家族による肩身の狭い共同生活のなか、その日暮らしの生活を送っている。病気で寝たきりの父親は口癖のように「死にたい」と繰り返す。長男は元ナチ党員であることがばれるのを怖れ、定職につかず家に隠れている。長女は夜のキャバレーで戦勝国の兵士の相手をして煙草を貰い、それを売って小銭を稼いでいる。仲間からは売春をすすめられるもそれはできない。結果、次男で末っ子の12歳のエドモンドが一家の稼ぎ頭として責任を背負い、様々な賃仕事をしている。
エドモンドは元ナチ党員である教師エニングと出会ったことから、だんだんと悪い影響を受けていく。「弱い者は強い者に滅ぼされるべき」と唱えるエニングに感化され、ある日、エドモンドは父親の毒殺を図る。そして・・・
少なくとも子供には戦争責任はない。
その子供が、廃墟と化した街と荒廃した人心と貧苦の中で、悪に染まっていく。ナチ政権下、反共・反ユダヤ主義に染められたキリスト教もいまや何の助けにもならない。
第2次大戦中、日本と並びナチスドイツと同盟国だったイタリアの映画作家だったロッセリーニ。我が木下惠介同様、戦意高揚映画も撮っていて(撮らされていて?)、ファシスト党杯というのを受賞している。