ソルティはかた、かく語りき

首都圏に住まうオス猫ブロガー。 還暦まで生きて、もはやバケ猫化している。 本を読み、映画を観て、音楽を聴いて、寺社仏閣に詣で、 旅に出て、山に登って、瞑想して、デモに行って、 無いアタマでものを考えて・・・・ そんな平凡な日常の記録である。

天願大介

● さすがだな、柄本! 映画:『魔王』(天願大介監督)

魔王 2014年自主上映。

 『デンデラ』(2011年)以来の天願大介の映画とあって、上映される下北沢まで駆けつけたのである。人ごみ嫌い(特に休日の)、「若者の街」嫌いの自分にこんな衝動的行為を起こさせるのは、映画監督なら天願大介しかいない。
 上映されたのは、アトリエ乾電池という名前の地下劇場。定員50名くらいか。
 なぜ自主上映?
 ――と思ったのだが、入口で渡されたパンフレットに監督の言葉がある。

ここ数年、映画を取り巻く環境は激変し、映画の位置は変わってしまった。映画はもう特別なものではない。
僕が大好きだった「映画」はもう死んだのだ。ではこれから何をすればいいのだろう。
悩んだ末、辿り着いた結論は自主映画だった。もう一度自主映画を撮る。
自主映画とは、誰にも頼まれていないのに勝手に撮る映画のことで、それが俺にとっての「第二の選択」だ。
無前提に「映画」だからこうすると思っていたことを捨て、新しい方法を考えよう。

 映画の位置がどう変わったのかは知るところではないが、今村昌平という大監督のサラブレッド(息子)にしてこのような苦境に立たされているのだ。あるいはサラブレッドだからこそ、時流に乗ることを拒んだのかもしれない。
 いずれにせよ、すがすがしいまでに潔い決断である。

 『魔王』は、あらゆる評価や解釈やこじつけを拒む映画である。監督の言うとおり、「無前提に‘映画’だからこうすると思っていたことを捨て」た結果がこの作品である。それ以上でもそれ以下でもない。
 自分は『暗いところで待ち合わせ』のような美しい作品、『世界で一番美しい夜』のようなメルヘンチックな作品を半ば期待していたのである。
 が、そのどちらをも裏切って「魔王」はふてぶてしいまでに観る者をあざむき、コケにし、理解を拒む。
 それはまるで「お前の映画に対する愛なんて、しょせんその程度のものだろう」と突き放される、あるいは試される感覚である。

 人には到底勧められない。
 でも、やはり天願大介は天願大介だった。
 なぜならこれを「映画でない」とは言うことができないからである。
 映画的でないすべてを削ぎ落として残した結果が「魔王」だからである。 
 愛のあるC-を贈りたい。

 観客はわずか5名ばかり。
 うち一人は柄本明だった。
 

評価:C-

A+ ・・・・・ めったにない傑作。映画好きで良かった。 
        「東京物語」「2001年宇宙の旅」   

A- ・・・・・ 傑作。劇場で見たい。映画好きなら絶対見ておくべき。
        「風と共に去りぬ」「未来世紀ブラジル」「シャイニング」
        「未知との遭遇」「父、帰る」「ベニスに死す」
        「フィールド・オブ・ドリームス」「ザ・セル」
        「スティング」「フライング・ハイ」
        「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」「フィアレス」

B+ ・・・・・ 良かった~。面白かった~。人に勧めたい。
        「アザーズ」「ポルターガイスト」「コンタクト」
        「ギャラクシークエスト」「白いカラス」
        「アメリカン・ビューティー」「オープン・ユア・アイズ」

B- ・・・・・ 純粋に楽しめる。悪くは無い。
        「グラディエーター」「ハムナプトラ」「マトリックス」 
        「アウトブレイク」「アイデンティティ」「CUBU」「ボーイズ・ドント・クライ」

C+ ・・・・・ 退屈しのぎにちょうどよい。(間違って再度借りなきゃ良いが・・・)
        「アルマゲドン」「ニューシネマパラダイス」「アナコンダ」 

C- ・・・・・ もうちょっとなんとかすれば良いのになあ。不満が残る。
        「お葬式」「プラトーン」

D+ ・・・・・ 駄作。ゴミ。見なきゃ良かった。
        「レオン」「パッション」「マディソン郡の橋」「サイン」

D- ・・・・・ 見たのは一生の不覚。金返せ~!!


●  映画:『暗いところで待ちあわせ』(天願大介監督)

 2006年公開。

 乙一の原作は読んでいないのだが、「原作(小説)と映画は別だ」ってことを確信させるレベルに達している映画である。

 だいたい120分を超える映画を観るのは、たとえ疲れたら画面を一時停止できる環境にある自宅であっても気合いが要るものである。ましてやホラーやアクションやコメディでないものは「物語」の中に入り込むまでに時間がかかる。身の回りを片付けて、飲み物と軽食の用意をして、ある程度部屋を暗くして、「さあ、見るぞ!」と再生ボタンを押すのである。それでも、最初の30分くらいはなかなか画面に集中できなかったりする。

 この作品。
 最初の10カットで引き込まれた。
 マジで。

 あ、映画がある・・・・・・と。

 それでもう十分である。
 原作がいかに素晴らしかろうが、ベストセラーであろうが、関係ない。
 なぜなら、物語が始まる前から、もうこちらは驚かされ、どぎまぎさせられ、これは純然たる映画だ、王道だ、と感服しているのだから。

 列車が撮れる、駅が撮れる、というのは、本物の映画監督かどうかを見分けるリトマス試験紙である。
 冒頭の駅のシーンで映画以外の何物でもない作品のクオリティに、まさにホームから突き落とされたかのような無抵抗に追いやられてしまった。

 小説の映画化、映像による「物語」のビジュアル化、なんて次元はとうに超えている。
 映像による「物語」からの逸脱、解放が、成し遂げられている。
 「読んでから観るか。観てから読むか。」なんて文句は完全にはずしている。

 ただ、ただ、映画である。

 主演の二人、盲目の少女役の田中麗奈も、胸がかきむしられるほど痛切な青春映画『藍色夏恋』(イー・ツーイェン監督、2002年)に出ていたイケメン青年チェン・ボーリンも、映画的時間と空間を体細胞に刻んでいるかのような的確な表現である。
 そのように演出した監督の手腕は言わずもがな。

 天願大介のこれまでの作品の中では一番だと思う。

 新作は、絶対「暗いところで(映画館)」で観るぞ。


評価:B+

A+ ・・・・・ めったにない傑作。映画好きで良かった。 
        「東京物語」「2001年宇宙の旅」   

A- ・・・・・ 傑作。劇場で見たい。映画好きなら絶対見ておくべき。
        「風と共に去りぬ」「未来世紀ブラジル」「シャイニング」
        「未知との遭遇」「父、帰る」「ベニスに死す」
        「フィールド・オブ・ドリームス」「ザ・セル」
        「スティング」「フライング・ハイ」
        「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」「フィアレス」
        ヒッチコックの作品たち

B+ ・・・・・ 良かった~。面白かった~。人に勧めたい。
        「アザーズ」「ポルターガイスト」「コンタクト」
        「ギャラクシークエスト」「白いカラス」
        「アメリカン・ビューティー」「オープン・ユア・アイズ」

B- ・・・・・ 純粋に楽しめる。悪くは無い。
        「グラディエーター」「ハムナプトラ」「マトリックス」 
        「アウトブレイク」「アイデンティティ」「CUBU」
        「ボーイズ・ドント・クライ」
        チャップリンの作品たち   

C+ ・・・・・ 退屈しのぎにちょうどよい。(間違って再度借りなきゃ良いが・・・)
        「アルマゲドン」「ニューシネマパラダイス」
        「アナコンダ」 

C- ・・・・・ もうちょっとなんとかすれば良いのになあ。不満が残る。
        「お葬式」「プラトーン」

D+ ・・・・・ 駄作。ゴミ。見なきゃ良かった。
        「レオン」「パッション」「マディソン郡の橋」「サイン」

D- ・・・・・ 見たのは一生の不覚。金返せ~!!


● 映画:『AIKI アイキ』(監督:天願大介)

 2002年日活。

 天願大介作品はこれで3本目となる。
 最も新しい『デンデラ』から昔のものへとさかのぼって観ているが、どの作品も水準以上である。稚拙さはまったく感じられない。
 交通事故で下半身不随、絶望のどん底から合気柔術との出会いによって生きがいを見出していく車椅子の青年の話(実際にモデルとなった人物がいる)を描いたこの作品も、映画としての完成度と青春ドラマとしての娯楽性との見事な一致を見ている。石橋凌や火野正平らバイプレイヤーの使い方もあいかわらず達者である。

 何より凄いのは、物語に引き込む力であろう。
 題材の面白さや脚本の素晴らしさももちろんあるが、物語世界に観る者をあっという間に引っ張り込み、映画の中の「時間と空間」を体験させてしまう。それも派手な演出や展開による強引な心理操作によるのでもなく、「泣き落とし」のような紋切り型の感情操作によるのでもなく、知らぬ間に観る者の心の構えを解いてしまい、批評する気を失わせてしまい、監督の呈示する作品世界に浸透(シンクロ)させてしまう。
 この魔力は、まさに「相手をいったん受け入れることによって相手の気を読み取り、自らの気と合わせてしまう」と天願監督が語る合気道の精神に通じるものである。
 そう、この作品自体が、いや天願大介の作品自体が、合気柔術なのである。
 その意味では、この作品は天願監督のスタイルの根幹となるものが、もっともストレートに、わかりやすく、表現されたものと言えるかもしれない。

デンデラ』・・・・姥捨山に捨てられた老女たちの共同体。
世界で一番美しい夜』・・・・社会のはみ出した者たちによる性による平和革命。
『AIKI』・・・・青年が障害を持ったことで発見する世界の豊饒。

 天願大介の映画は、観る者に「自分は受け入れられている」という感覚を与える。居場所を失った者たちに、ひとときの優しい夢を用意する。それが、天願作品の持つ童話的な風味の秘密なのであろう。




評価:B+


A+ ・・・・・ めったにない傑作。映画好きで良かった。 
        「東京物語」「2001年宇宙の旅」   

A- ・・・・・ 傑作。劇場で見たい。映画好きなら絶対見ておくべき。
        「風と共に去りぬ」「未来世紀ブラジル」「シャイニング」
        「未知との遭遇」「父、帰る」「ベニスに死す」
        「フィールド・オブ・ドリームス」「ザ・セル」
        「スティング」「フライング・ハイ」
        「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」「フィアレス」
        ヒッチコックの作品たち

B+ ・・・・・ 良かった~。面白かった~。人に勧めたい。
        「アザーズ」「ポルターガイスト」「コンタクト」
        「ギャラクシークエスト」「白いカラス」
        「アメリカン・ビューティー」「オープン・ユア・アイズ」

B- ・・・・・ 純粋に楽しめる。悪くは無い。
        「グラディエーター」「ハムナプトラ」「マトリックス」 
        「アウトブレイク」「アイデンティティ」「CUBU」「ボーイズ・ドント・クライ」
        チャップリンの作品たち   

C+ ・・・・・ 退屈しのぎにちょうどよい。(間違って再度借りなきゃ良いが・・・)
        「アルマゲドン」「ニューシネマパラダイス」
        「アナコンダ」 

C- ・・・・・ もうちょっとなんとかすれば良いのになあ。不満が残る。
        「お葬式」「プラトーン」

D+ ・・・・・ 駄作。ゴミ。見なきゃ良かった。
        「レオン」「パッション」「マディソン郡の橋」「サイン」

D- ・・・・・ 見たのは一生の不覚。金返せ~!!


●  がんばれ、宮崎吾郎! 映画:『デンデラ』(天願大介監督)

 2011年東映作品。

 「デンデラ」とは「蓮台(れんだい)」のなまったもので、墓地または死者を葬送するところの意である。
 『遠野物語』の舞台となった岩手県遠野市には、この名前のついた丘があり、その昔、60歳を超えた老人はここに遺棄されたと言われている。いわゆる「姥捨て伝説」である。

 60歳で捨てられるとは今の感覚からすれば、あまりに若すぎる。この作品では、70歳になった老女(浅丘ルリ子)が息子によって雪山に置き去りにされるシーンから始まる。
 まず、浅丘ルリ子が捨てられる老婆の役をやるということにビックリする。
 確かに実年齢でも撮影当時71歳(1940生まれ)である。どんな役でもそれなりにこなせる感性と演技力とを備えている女優だから、役不足というわけでは全然無い。
 ただ、自らを美しく見せることへのこだわりとプライドの高さゆえに、こんな老け役にして汚れ役を引き受けたことにビックリしたのである。
 タイトルは忘れたが、しばらく前にやったテレビドラマの中で、往年の人気女優の役を演じる浅丘が、ライバル女優と張り合って役者根性を示すために鏡の前でメークを拭い去るというシーンがあった。浅丘は本当にメークを拭き取り、すっぴんをテレビカメラ(視聴者)にさらしたのである。そのとき、「この人、変わったな」と思ったものである。石坂浩二との離婚が変化のきっかけになったのであろうか。(どうでもいいことだが・・・)

 実際のところ、昔話の70歳にしては浅丘は若すぎるし、美しすぎるし、バタ臭すぎる(瞳にブルーコンタクト入ってないか?)。『楢山節考』の主演女優達(田中絹代、飯田蝶子、坂本スミ子)に比べると、「リアリティにかなり欠ける」と思うのであるが、それでもノーメークで顔の皺も隠さず、方言にも果敢にチャレンジしている。同じ日活映画のヒロインだった吉永小百合を、これで完全に追い抜いたな、と思う。

 出だしで感じたこのリアリティの欠如は、しかし、話が進んでくると気にならなくなってくる。それは、これまでに村の男達に捨てられた老婆達は、なんとか生き残って女だけの共同体(「デンデラ」と名づけている)を村人の来ない山向こうに築き、自給自足の暮らしを30年も続けていて、そこでは、新参者の浅丘ルリ子はたかが70歳の小娘に過ぎないのである。
 相対性のもたらす不思議というやつで、山のふもとの村の感覚では「70歳にしては若すぎる」浅丘の不自然な老婆姿も、最高齢100歳(草笛光子)のデンデラの中では「まだ70歳だから若く見えて当たり前」に映るのである。映画の終盤に向かうにつれ、浅丘はどんどん若くなっていくように見えるのであるが、100分近く老婆達の姿に付き合わされた視線には、もはやそんなこと気にならないのである。

 これはマジな話で、自分は老人ホームに勤めるようになって、これまで列車の中で見かけていた老人達が相対的に「若く」見えるようになった。
 老人ホームの住人の平均年齢は90歳以上なので、80歳で「やっと一人前」、70歳はまだ「青二才」、60歳なんか「ションベン臭い小娘」って感じである。40代の自分なんか彼等から見たら、「ケツの青い赤ん坊、人間未満」なのかもしれない。
 いやはや・・・。
 
 デンデラに住んでいる老婆達を、豪華女優陣が演じているのも見所である。
 共同体の創設者にしてリーダーの草笛光子の貫禄、それと張り合う片眼の倍賞美津子のいつもながら味のあるカッコイイ演技。若々しさと美貌とで売っていた点では、浅丘に勝るとも劣らない山本陽子も重要な役どころで出ているのだが、なんと自分は終わりのクレジットを見るまで「山本陽子」が出ていたことに気づかなかった。それくらい、普通の老婆になりきっているのである。

 『世界で一番美しい夜』でもそうだが、キャスティングの妙と役者の活かし方がすこぶる上手いのが、天願監督の第一の才能であろう。これは父親譲りの吸引力ゆえなのかもしれない。役者冥利に尽きる芝居をさせてくれるのである。

 あえて、偉大な父の代表作(カンヌグランプリ『楢山節考』)と同じテーマにチャンレジし、女だけの村という空間を撮ることでフェミニズム的視線も説教臭くなく取り入れ(逆に男だけの老人共同体を想像してほしい。しまいには権力闘争の揚げ句に全滅することだろう)、理想郷と見えたデンデラにも熊や雪崩といった自然の脅威は情け容赦なく襲い来る、人が生きることはどうにもこうにも「苦しみ」である、という仏教的視点を匂わせ、それでも「生きたい」という人間(生命)の性(さが)、あるいは業?を描く。
 志の高さと、現代の状況に対する鋭敏な視点と、深い洞察と、安易な結論の提示を拒否するテーマとの好ましい距離感の保持において、自分の中ではすでに今村昌平を超えた。

 本当に見事な才能である。
 代表作を撮る日も近いであろう。



評価:B+

A+ ・・・・・ めったにない傑作。映画好きで良かった。 
        「東京物語」「2001年宇宙の旅」   

A- ・・・・・ 傑作。劇場で見たい。映画好きなら絶対見ておくべき。
        「風と共に去りぬ」「未来世紀ブラジル」「シャイニング」
        「未知との遭遇」「父、帰る」「ベニスに死す」
        「フィールド・オブ・ドリームス」「ザ・セル」
        「スティング」「フライング・ハイ」
        「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」「フィアレス」
        ヒッチコックの作品たち

B+ ・・・・・ 良かった~。面白かった~。人に勧めたい。
        「アザーズ」「ポルターガイスト」「コンタクト」
        「ギャラクシークエスト」「白いカラス」
        「アメリカン・ビューティー」「オープン・ユア・アイズ」

B- ・・・・・ 純粋に楽しめる。悪くは無い。
        「グラディエーター」「ハムナプトラ」「マトリックス」 
        「アウトブレイク」「アイデンティティ」「CUBU」
        「ボーイズ・ドント・クライ」
        チャップリンの作品たち   

C+ ・・・・・ 退屈しのぎにちょうどよい。(間違って再度借りなきゃ良いが・・・)
        「アルマゲドン」「ニューシネマパラダイス」
        「アナコンダ」 

C- ・・・・・ もうちょっとなんとかすれば良いのになあ。不満が残る。
        「お葬式」「プラトーン」

D+ ・・・・・ 駄作。ゴミ。見なきゃ良かった。
        「レオン」「パッション」「マディソン郡の橋」「サイン」

D- ・・・・・ 見たのは一生の不覚。金返せ~!!


  
 
 
 
 
 


● 映画:『世界で一番美しい夜』(天願大介監督)

 2008年ファントム・フィルム配給。

 はじめて名前を聞く監督だが、タイトルの良さとDVDパッケージから漂う神話的なエロティックな香りに惹かれて借りてみた。

 驚くべき才能である。
 全編、映画的時間と映画的空間とで充溢している。
 一癖も二癖もある俳優ばかり(田口トモロヲ、石橋凌、佐野史郎、三上寛など)なのに、見事に使いこなしている。
 いったいこの監督は何者?

 見終わった後、ウィキで調べて合点がいった。
 今村昌平の息子なのである。
 映画的才能が果たして遺伝するかどうかはともかく、父親に付いてじっくりと学んだのだろう。
 ベテラン俳優たちの力演も、各々が生前世話になった今村昌平監督に対する恩返しの意味もあるのかもしれない。

 だが、いくら偉大な父親を持とうと、学ぶことのできないものもある。
 世界をどう見るかは、己自身のオリジナリティで勝負しなければならない。
 父親には見られない点は、たぶんヴォネガット風のユーモアのセンスと見た。

 まぎれもなく、現代日本のもっとも傑出した映画監督の一人と言い切ってよい。


 他の作品も観てみよう。


評価: B+


A+ ・・・・・ めったにない傑作。映画好きで良かった。 
        「東京物語」「2001年宇宙の旅」   

A- ・・・・・ 傑作。劇場で見たい。映画好きなら絶対見ておくべき。
        「風と共に去りぬ」「未来世紀ブラジル」「シャイニング」
        「未知との遭遇」「父、帰る」「ベニスに死す」
        「フィールド・オブ・ドリームス」「ザ・セル」
        「スティング」「フライング・ハイ」
        「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」「フィアレス」
        ヒッチコックの作品たち

B+ ・・・・・ 良かった~。面白かった~。人に勧めたい。
        「アザーズ」「ポルターガイスト」「コンタクト」
        「ギャラクシークエスト」「白いカラス」
        「アメリカン・ビューティー」「オープン・ユア・アイズ」

B- ・・・・・ 純粋に楽しめる。悪くは無い。
        「グラディエーター」「ハムナプトラ」「マトリックス」 
        「アウトブレイク」「アイデンティティ」「CUBU」「ボーイズ・ドント・クライ」
        チャップリンの作品たち   

C+ ・・・・・ 退屈しのぎにちょうどよい。(間違って再度借りなきゃ良いが・・・)
        「アルマゲドン」「ニューシネマパラダイス」
        「アナコンダ」 

C- ・・・・・ もうちょっとなんとかすれば良いのになあ。不満が残る。
        「お葬式」「プラトーン」

D+ ・・・・・ 駄作。ゴミ。見なきゃ良かった。
        「レオン」「パッション」「マディソン郡の橋」「サイン」

D- ・・・・・ 見たのは一生の不覚。金返せ~!!






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